【2026年最新版】名古屋の古いビルは隣の建物と壁がくっついていても売却できる?片方だけ解体する場合の危険性・共有壁・隣地トラブル・買取価格を徹底解説(運営:(株)愛知不動産売却センター)

はじめに|大須・円頓寺・名駅3丁目・栄3丁目で見かける、隣の建物と密着した古いビル

名古屋市内で古いビルや店舗の売却相談を受け、現地を内覧していると、気になる建物を見かけることがあります。

それは、隣の建物との隙間がほとんどない古いビルです。

特に大須、円頓寺、名駅3丁目、栄3丁目などでは、古い建物が密集している場所があり、建物同士が非常に近い状態で建っていることがあります。

外から見ると、まるで2棟が一体になっているように見える建物。

隣のビルとの隙間が数センチしかない建物。

外壁が接しているように見える店舗兼住宅。

中には、どこからどこまでが自分の建物なのか、外観だけでは判断しにくい物件もあります。

このような建物を所有する方から、次のような質問を受けることがあります。

「隣の建物と壁がくっついているけど、売却できますか?」

「自分のビルだけ解体することはできますか?」

「隣の壁を傷つけたら、誰が修繕費用を負担するのでしょうか?」

「古いビルなので解体して土地として売却した方が高く売れますか?」

結論から申し上げると、隣の建物と壁が接しているように見える古いビルでも、売却できる可能性は十分にあります。

ただし、注意しなければならないことがあります。

それは、売却できるかどうかと、安全に解体できるかどうかは別の問題だということです。

さらに、壁が接しているように見えても、実際には独立した2棟なのか、共有壁が存在するのか、構造的につながっているのかによって、対応が大きく異なります。

今回は、名古屋市の古い商業ビルや店舗兼住宅を中心に、隣接建物との問題、解体時の危険性、隣地所有者との交渉、売却価格への影響まで、不動産実務の視点から解説します。

第1章|そもそも、なぜ名古屋には隣の建物と密着した古いビルが多いのか?

昔からの商業地には小さな土地が多い

名古屋市の中心部には、古くから商売が営まれてきた地域があります。

大須商店街、円頓寺商店街、名駅3丁目、栄3丁目なども、その代表的なエリアです。

こうした地域では、比較的小さな敷地に店舗や住宅が建てられ、時代とともに建替えや増築が行われてきました。

土地を最大限に活用するため、隣地境界付近まで建物を建てているケースも考えられます。

現在の建物と比べると、外壁の点検や修繕のためのスペースが十分に確保されていない場合もあります。

建物が密着している理由は一つではない

例えば、次のような状況です。

独立した建物が隣地境界付近まで建っている

昔の長屋や連棟建物の一部が残っている

増築を繰り返した結果、隣の建物に接近した

建物の外壁や屋根の一部が越境している

建物の一部が構造的につながっている

重要なのは、見た目だけで判断しないことです。

壁が接しているように見えるからといって、必ず共有壁があるわけではありません。

第2章|「壁がくっついている」と「共有壁」はまったく違う

この違いは、売却時に非常に重要です。

ケース① 独立した2棟が接近している

例えば、AビルとBビルが、それぞれ独立した基礎や柱、外壁を持っているケースです。

建物同士の隙間が数センチしかなくても、構造的には別々の建物という場合があります。

この場合、Aビルを解体してもBビルの主要構造部を直接取り壊す必要がない可能性があります。

ただし、解体時の振動や接触、基礎工事の影響などには注意が必要です。

ケース② 境界部分の壁を共用している

一方、隣接する建物が一つの壁を利用している場合も考えられます。

例えば、昔の連棟建物です。

この場合、片方を解体すると、残った建物の壁がなくなってしまう可能性があります。

防水性能、耐火性能、建物の強度などに影響することも考えられます。

なお、民法229条には境界線上の障壁等について共有を推定する規定がありますが、民法230条では建物の一部を構成する障壁について例外が設けられています。

そのため、境界線上に壁があるという理由だけで、共有壁だと断定することはできません。

所有権や構造を確認する必要があります。

ケース③ 建物同士が構造的につながっている

さらに注意したいのが、柱、梁、屋根、床などがつながっている場合です。

このような建物では、片方の解体がもう片方の安全性に影響する可能性があります。

外観だけでは分からないため、必要に応じて建築士や構造に詳しい専門家による調査が重要です。

第3章|隣の建物と密着していても、そのまま売却できる?

結論として、売却できる可能性はあります。

不動産売買では、建物の老朽化や隣地との接近だけを理由に、必ず売却できなくなるわけではありません。

例えば、買主が建物をそのまま利用する目的で購入する場合です。

既存の店舗や事務所として利用する。

賃貸ビルとして保有する。

将来の建替えを見据えて土地建物を取得する。

このように、買主の目的によって評価は変わります。

現況のまま購入する買主もいる

古いビルだからといって、すべての買主が解体を希望するわけではありません。

立地が良く、一定の賃貸需要が見込める場合には、修繕しながら利用する選択肢もあります。

また、解体に大きな費用がかかる場合には、現況のまま購入して将来の利用方法を検討する買主も考えられます。

ただし、買主が解体を前提としている場合には、隣接建物との関係が価格交渉に大きく影響する可能性があります。

売却の可能性を判断する際には、建物の状態だけでなく、買主が何を目的として購入するのかが重要です。

第4章|片方だけ解体すると何が起こる?代表的な危険性

隣接する古い建物の解体では、通常の単独建物とは異なる注意点があります。

① 隣の建物の外壁がむき出しになる

例えば、長年隣の建物に接していた壁です。

建物を解体すると、今まで外気や雨水にさらされていなかった部分が露出する場合があります。

その部分に十分な防水処理が施されていなければ、雨漏りの原因になる可能性があります。

また、外壁材が未施工の状態だったり、古い下地が露出したりすることも考えられます。

この場合、解体後に外壁の防水工事や仕上げ工事が必要になる可能性があります。

② 解体時の振動で隣の建物に損傷が生じる

古い建物では、経年劣化によって外壁や内装にひび割れが生じていることがあります。

解体工事の振動によって、既存のひび割れが拡大したり、仕上げ材が剥がれたりする可能性もあります。

もちろん、すべての損傷が解体工事によるものとは限りません。

そのため、工事前の状況を記録しておくことが重要です。

③ 建物の強度に影響する可能性

構造的につながっている建物では、片方を解体することによって残った建物の安全性に影響が出るおそれがあります。

特に、古い木造連棟建物や、増改築の履歴が不明な建物では注意が必要です。

単純に壁を切り離せばよいとは限りません。

④ 隣の建物の配管や設備を損傷する

古い建物では、給排水管、ガス管、電気配線、換気設備などが隣接部分を通っている場合があります。

所有者自身も、その経路を把握していないことがあります。

解体前には設備の状況も確認する必要があります。

⑤ 工事車両や重機が入らない

大須や円頓寺などの古い商店街では、前面道路が狭い物件もあります。

大型重機が入らない場合や、作業スペースを十分に確保できない場合には、工法が制限されることがあります。

その結果、解体工期が長くなったり、費用が増加したりする可能性があります。

第5章|解体したら隣のビルが雨漏り!誰が修繕費用を負担する?

ここは特に注意したい問題です。

例えば、Aビルを解体した後、隣のBビルで雨漏りが発生したとします。

Bビルの所有者から、

「解体工事が原因なので修繕してください」

と求められる場合があります。

このとき、必ずAビルの所有者が全額を負担するとは限りません。

重要なのは、雨漏りの原因です。

解体工事によって防水部分を損傷したのか。

以前から雨漏りが発生していたのか。

建物自体の老朽化が原因なのか。

共有壁の処理に問題があったのか。

こうした事情によって、責任の判断が異なります。

解体業者に依頼していれば所有者は無関係?

そうとも限りません。

施工業者の過失が問題になる場合もありますが、発注者側の指示や管理状況などによっては、別途責任が問題になる可能性もあります。

そのため、解体工事を発注する際には、隣接建物への影響、施工方法、保険加入状況、損傷時の対応などを確認しておくことが重要です。

解体前の写真が重要

隣接建物の外壁や室内に、工事前からひび割れがあったかどうか。

雨漏りの痕跡が存在したかどうか。

こうした状況を写真などで記録しておくことは、後日のトラブル防止に役立ちます。

必要に応じて、隣地所有者の協力を得た事前調査も検討したいところです。

第6章|隣の土地に足場を設置したい!所有者が拒否したらどうなる?

隣の建物と密着している場合、自分の敷地内だけで工事を完結できないことがあります。

例えば、外壁の修繕や解体に伴い、隣地を一時的に使用する必要がある場合です。

民法209条の隣地使用

2023年4月施行の改正民法では、境界付近の建物などの築造、収去、修繕といった目的のため、必要な範囲で隣地を使用できることが明確化されました。

ただし、無条件に自由に使用できるわけではありません。

使用する日時、場所、方法について、隣地所有者や使用者への影響をできるだけ小さくする必要があります。

原則として、目的や日時、場所、方法などの事前通知も必要です。

また、住家への立入りには居住者の承諾が必要です。

法律があるから勝手に足場を組んでもよい?

そのような考え方は危険です。

隣地使用権が認められる場合でも、具体的な使用方法や範囲について争いがある場合があります。

実務上は、事前に隣地所有者と協議し、使用範囲や期間、損傷時の対応などを書面で確認しておくことが望ましいでしょう。

第7章|境界から50センチ離れていない建物は違法なのか?

古いビルの売却で気になるのが、隣地境界線との距離です。

民法234条では、建物を築造する際、原則として境界線から50センチメートル以上の距離を保つことが定められています。

ただし、例外や個別事情があります。

民法236条には、境界付近の建築について異なる慣習がある場合の規定があります。

また、防火地域や準防火地域で一定の耐火構造の外壁を設ける場合など、建築基準法上の取扱いも関係します。

そのため、境界から50センチ離れていないという事実だけで、直ちに違法建築だと断定することはできません。

建築時期、地域の状況、構造、適用法令などを確認する必要があります。

古い建物では建築当時の資料が残っていないことも

築40年、築50年を超えるビルでは、建築確認関係の資料や図面が残っていない場合があります。

そのため、建物の構造や境界との位置関係を調べるのに時間がかかることもあります。

売却前に、確認できる資料を整理しておくことが重要です。

第8章|大須・円頓寺・名駅3丁目・栄3丁目で特に注意したいこと

大須|店舗が密集する商業地

大須では、昔からの店舗や店舗兼住宅が並ぶ場所があります。

建物の幅が狭く、隣の建物との距離が非常に近いケースも見られます。

古い店舗を解体して新築する場合には、隣接建物への影響だけでなく、前面道路や工事スペースの確保も重要です。

円頓寺|古い街並みと連棟建物

円頓寺周辺では、昔ながらの建物が残る場所があります。

古い長屋や連棟建物の場合、単独での解体に注意が必要です。

外観上は別々の建物に見えても、屋根や壁がつながっている可能性があります。

名駅3丁目|土地の価値と解体条件

名駅3丁目では、土地の立地条件が売却価格に大きく影響する場合があります。

しかし、立地が良いからといって、すべての古いビルが簡単に解体できるわけではありません。

隣接建物との関係によって、解体費用や工期が変わる可能性があります。

買主が新築を予定している場合には、こうした条件も価格判断の材料になります。

栄3丁目|古い雑居ビルと隣地問題

栄3丁目でも、古い商業ビルが密集する場所があります。

特に、飲食店や物販店などのテナントが入居している建物では、解体工事による営業への影響にも配慮が必要です。

騒音、振動、粉じん、搬入経路などについて、事前の調整が重要になります。

これらの地域では、土地の立地だけでなく、隣接建物との関係を含めて売却条件を検討する必要があります。

第9章|隣の建物と密着した古いビルは、買取価格が安くなる?

必ず安くなるわけではありません。

ただし、買主が解体や建替えを予定している場合には、追加費用や不確実性が価格に影響する可能性があります。

解体費用が通常より高くなる可能性

例えば、同じ規模の建物でも、隣接建物との距離や工事条件によって解体費用は異なります。

大型重機が使えない。

手作業による解体部分が多い。

隣の建物を保護するための仮設工事が必要。

隣接建物の外壁を補修する必要がある。

こうした条件が重なると、解体費用が増える可能性があります。

買取価格の考え方

例えば、仮に土地としての評価額が5,000万円の物件を考えてみます。

通常の解体費用を500万円と見込んでいたところ、隣接建物への対策や特殊な工法によって、さらに300万円の費用が必要と判断されたとします。

この場合、買主が追加費用を価格交渉の材料とする可能性があります。

ただし、これはあくまで説明のための仮定です。

実際の解体費用や買取価格は、建物の規模、構造、立地、施工条件、買主の事業計画などによって異なります。

売主が先に解体すれば高く売れる?

ここは慎重に判断したいところです。

解体して更地にすれば、買主が土地の利用方法を検討しやすくなる場合があります。

一方で、隣地とのトラブルが発生したり、想定以上の解体費用がかかったりする可能性もあります。

解体後の売却価格が上がったとしても、解体費用を差し引くと、売主の手残りが減る場合もあります。

そのため、解体する前に、現況のまま売却する場合と、更地にして売却する場合を比較することをおすすめします。

第10章|古いビルを解体する前に確認したい7つの事項

① 土地の境界

隣地との境界が明確になっているか確認します。

境界標の有無や測量資料なども重要です。

② 建物の所有関係

登記事項証明書や建築関係資料を確認し、建物の所有者や権利関係を整理します。

③ 共有壁の有無

外観だけでなく、必要に応じて建築士などに確認します。

④ 隣接建物の状態

ひび割れ、雨漏り、傾きなど、工事前の状態を把握します。

⑤ 解体工事の方法

重機の使用、手作業の範囲、養生、振動対策などを確認します。

⑥ アスベストの有無

古い建物の解体では、石綿含有建材の事前調査が重要です。

法令に従い、有資格者による調査や必要な届出、適切な飛散防止対策などを行う必要があります。

⑦ 解体せずに売却する選択肢

最後に確認したいのが、現況売却です。

買主が建物をそのまま利用するのであれば、必ずしも売主が先に解体する必要はありません。

第11章|売買契約ではどのような点に注意するべき?

隣接建物との関係が不明確な古いビルでは、売買契約の内容も重要です。

例えば、次のような事項です。

隣接建物との接近状況

建物同士が非常に近いことや、確認できている状況を説明します。

共有壁や構造上の関係

確認できた事実と、調査しても確認できなかった事項を区別します。

境界・越境の状況

越境が確認されている場合には、その内容や隣地所有者との協議状況を整理します。

解体に伴う隣地との調整

売主が解体するのか、買主が取得後に解体するのかを明確にします。

契約不適合責任

売主が宅建業者か一般個人か、買主が事業者か消費者かなどによって、契約不適合責任に関する取扱いが異なる場合があります。

「現況有姿」や「契約不適合責任免責」と記載すれば、あらゆる問題について売主が責任を負わなくなるわけではありません。

把握している不具合や隣地トラブルについては、適切に告知することが重要です。

第12章|よくある質問Q&A

Q1|隣の建物と壁が接していても売却できますか?

はい。売却できる可能性はあります。ただし、共有壁の有無や建物の構造、買主の利用目的などによって条件が異なります。

Q2|自分の建物だけ解体できますか?

独立した建物であれば可能な場合があります。ただし、構造的につながっている場合や共有壁がある場合には、専門的な調査が必要です。

Q3|隣の所有者が解体に反対したらどうなりますか?

反対の理由や工事内容によって対応が異なります。自分の建物の解体であっても、隣地の使用や隣接建物への影響がある場合には、慎重な協議が必要です。

Q4|解体後に隣の建物が雨漏りしたら責任を負いますか?

工事との因果関係や過失の有無などによって判断が異なります。必ず解体した側が全額を負担するとは限りません。

Q5|境界から50センチ離れていない建物は違法ですか?

必ずしもそうではありません。民法上の原則に加え、地域の慣習や建築基準法上の取扱いなどを確認する必要があります。

Q6|共有壁がある建物でも買取できますか?

物件の状況や買主の判断によりますが、買取を検討できる場合があります。まずは権利関係や建物の状態を確認することが重要です。

Q7|解体費用が高いなら、現況のまま売却した方がよいですか?

現況売却が有利になる場合もあります。更地売却と現況売却の査定額、解体費用、売却までの期間などを比較して判断することをおすすめします。

まとめ|隣の建物と壁がくっついた古いビルは、解体する前に売却方法を検討する

名古屋市内には、古い建物が密集する地域があります。

特に大須、円頓寺、名駅3丁目、栄3丁目などでは、隣接する建物との距離が非常に近い物件を見かけることがあります。

こうした建物を所有していると、

「古いから解体しないと売れない」

「隣の建物と壁が接しているから買主が見つからない」

と考えてしまうかもしれません。

しかし、必ずしもそうではありません。

重要なのは、建物の状態や権利関係を把握し、適切な売却方法を選ぶことです。

壁が接しているように見えるだけなのか。

本当に共有壁があるのか。

構造的につながっているのか。

解体時に隣の建物へ影響が出るのか。

現況のまま購入する買主がいるのか。

これらを確認することで、売却の選択肢が広がる可能性があります。

そして、最もお伝えしたいのは次のことです。

古いビルだからといって、売主が急いで解体する必要はありません。

解体費用が高額になる物件ほど、まずは現況のままで査定を受けることが重要です。

解体後に予想外の隣地トラブルが発生する前に、現状の建物を含めた売却方法を検討してみてはいかがでしょうか。

名古屋の古いビル・隣接建物と密着した店舗・解体が難しい不動産の売却相談

名古屋仏縁不動産では、名古屋市を中心に愛知県全域で、売却が難しい土地・建物のご相談に対応しています。

隣の建物と壁が接している古いビル。

解体すると隣の建物に影響が出そうな物件。

共有壁が存在する可能性のある店舗兼住宅。

老朽化した雑居ビル。

境界や越境の問題がある土地。

解体費用が高額で売却に困っている物件。

他社で売却が難しいと言われた不動産。

このような物件についても、現況売却や買取など、物件の状況に応じた方法を検討します。

特に、大須・円頓寺・名駅・栄・錦・金山・今池・千種など、古い商業ビルが残る地域の不動産売却について、お気軽にご相談ください。

捨てる前に。修繕する前に。壊す前に。まず査定を。
※本記事は2026年時点の一般的な不動産売買、民法、建築関係法令などに基づく解説です。個別物件の構造や権利関係、法令上の取扱いについては、建築士、弁護士、土地家屋調査士などの専門家による確認が必要となる場合があります。

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