【2026年最新版】周囲は全部売却済みなのに、なぜ1軒だけ売らない?名古屋の再開発で取り残された土地・建物の事情と売却できない理由を徹底解説(運営:(株)愛知不動産売却センター)

はじめに|名古屋の一等地に、なぜ古い建物が1軒だけ残っているのか?

名古屋市内を歩いていると、不思議な光景を目にすることがあります。

周囲には新しいマンションやオフィスビルが建ち並んでいる。

大きな土地では再開発工事が進んでいる。

ところが、その一角にだけ、築50年を超えるような古い建物が残っている。

周囲の建物はすでに解体され、広い空き地になっているのに、真ん中に1軒だけ住宅が残っている。

このような光景を見て、疑問に思ったことはないでしょうか。

「なぜ、あの1軒だけ売却しないのだろう?」

「周囲の所有者はみんな売却したのに、どうして?」

「再開発業者から高い金額を提示されているのでは?」

「立ち退きを拒否しているのだろうか?」

確かに、そのような事情が存在する場合もあるでしょう。

しかし、不動産の売却に関わる立場から考えると、理由はそれほど単純ではありません。

そもそも売却したくない所有者もいれば、売却したくても売却できない所有者もいます。

また、所有者自身は売却に前向きでも、相続人や共有者、借地権者、テナントなどとの関係によって話が進まない場合もあります。

特に名古屋市内では、栄、錦、名駅、金山、今池、千種、大須、那古野など、古い建物と新しい建物が混在する地域があります。

今回は、名古屋市の再開発や土地売却を題材に、周囲が売却された後も1軒だけ建物が残る理由について、不動産実務の視点から詳しく解説します。

なお、実際に残っている特定の建物について、所有者の事情を外観だけで判断することはできません。

本記事では、一般的に考えられる事情を解説します。

第1章|周囲が売却しても、自分の土地まで売却する義務はない

まず、大前提となることがあります。

周囲の土地所有者が売却したからといって、自分の土地まで売却しなければならないわけではありません。

土地や建物は、原則として所有者自身が売却するかどうかを判断する財産です。

例えば、周囲の土地を不動産会社が買い集めていたとしても、通常の任意売買であれば、残る所有者が売却を拒否することは可能です。

「隣の人も売却したのだから、あなたも売却してください」

と言われても、それだけで売却義務が生じるわけではありません。

ただし、都市再開発法に基づく市街地再開発事業など、法律に定められた手続きが行われる場合は別です。

法定再開発では、権利変換などの制度が関係することがあり、単純な民間の土地買収とは仕組みが異なります。

そのため、まずは任意の土地売買なのか、法定の再開発事業なのかを区別する必要があります。

第2章|理由① 売却価格に納得していない

最も分かりやすい理由の一つが、売却価格です。

例えば、ある土地所有者が長年にわたり商業地の土地を所有していたとします。

周囲の土地はすでに売却され、大規模な開発計画が進んでいる。

しかし、最後に残った所有者は、提示された価格に納得していません。

この場合、所有者が考えているのは、単純な坪単価だけではないかもしれません。

「今後さらに土地の価値が上がるのではないか」

「この土地がなければ開発計画が成立しないのではないか」

「もっと高い価格で売却できるのではないか」

このような期待が生まれることも考えられます。

最後の1軒は高く売れる?

周囲の土地がすべて取得されている場合、残った土地が開発計画上、重要な位置を占めることがあります。

そのため、一般的な土地相場とは異なる価格交渉が行われる可能性もあります。

しかし、必ず高額で売却できるわけではありません。

開発業者が計画を変更し、残った土地を除いて建築する場合もあります。

また、事業そのものが中止される可能性もあります。

「最後まで売らなければ必ず高く売れる」という考え方にはリスクがあります。

第3章|理由② 先祖代々の土地だから売りたくない

土地の価値は、お金だけで決まるものではありません。

例えば、祖父母の代から続く住宅や店舗です。

その土地で生まれ育ち、家族と長年生活してきた。

親が商売を営んでいた。

子どもの頃の思い出が残っている。

こうした土地に対して、強い愛着を持つ所有者もいるでしょう。

特に古い商店街や住宅地では、長年その地域で暮らしてきた方もいます。

不動産会社から売却の提案を受けても、

「お金には困っていない」

「この場所を離れたくない」

「親から受け継いだ土地を手放したくない」

と考えることは自然なことです。

不動産会社の査定価格と所有者の価値観は違う

不動産会社は、土地の面積、接道条件、用途地域、周辺相場などから価格を判断します。

しかし、所有者にとっての価値は、それだけではありません。

市場価格が高いからといって、必ず売却したいとは限らないのです。

第4章|理由③ 相続人が多すぎて売却できない

実務上、注意したいのが相続問題です。

例えば、土地の登記名義人が数十年前に亡くなっている場合です。

その後、相続登記が行われず、さらに相続人が亡くなっていることもあります。

このような場合、相続関係が複雑になる可能性があります。

相続人全員の合意が必要になる場合

相続によって土地が共有状態になっている場合、土地全体を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要です。

例えば、相続人が5人いる場合です。

4人が売却に賛成していても、残りの1人が反対すれば、共有土地全体の売却を進められない場合があります。

また、相続人の中に連絡が取れない人がいる場合や、海外に居住している人がいる場合なども、手続きが複雑になることがあります。

相続登記の義務化にも注意

2024年4月1日から相続登記が義務化されています。

原則として、不動産を相続によって取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。

過去の相続についても経過措置が設けられています。

売却したくても相続関係が整理されていないために売却できない。

こうした事情も考えられるのです。

第5章|理由④ 土地と建物の所有者が違う

古い商業地では、土地と建物の所有者が異なる場合があります。

例えば、土地はAさんが所有し、建物はBさんが所有しているケースです。

Bさんは借地権に基づいて建物を所有しています。

この場合、土地所有者が土地を売却したいと思っていても、借地権が存在するため、買主が自由に建物を解体できるわけではありません。

借地権がある土地は売却できない?

借地権が設定されている土地でも、底地として売却できる場合があります。

ただし、買主は借地権の存在を前提として購入することになります。

また、借地権者が建物を所有している場合、土地所有者の判断だけで建物を撤去できるわけではありません。

再開発を目的として土地を取得する場合には、借地権者との調整が必要になることがあります。

土地所有者と建物所有者の意見が一致しない

土地所有者は売却したい。

しかし、建物所有者は営業を続けたい。

こうした場合、交渉が長期化する可能性があります。

土地の登記名義人だけを確認しても、すべての権利関係が分かるとは限りません。

第6章|理由⑤ テナントが退去しない

古い建物が残る理由として、テナントの存在も考えられます。

例えば、1階で飲食店が長年営業している建物です。

土地と建物の所有者は売却に前向きでも、テナントが営業を続けたいと考えている場合があります。

売却すればテナントを退去させられる?

いいえ。

建物を売却したからといって、入居中のテナントを当然に退去させられるわけではありません。

普通借家契約の場合、貸主からの更新拒絶や解約申入れには、借地借家法に基づく正当事由などが問題になります。

建物が古いことや、所有者が売却したいという事情だけで、必ず契約を終了できるわけではありません。

立退料が必要になる場合もある

建替えや再開発を目的としてテナントに退去を求める場合、立退料が交渉上の問題になることがあります。

ただし、立退料を支払えば必ず退去させられるわけではありません。

建物の老朽化、貸主と借主の建物使用の必要性、契約内容、交渉経緯などによって判断が異なります。

そのため、再開発業者が土地を取得する場合には、テナントの賃貸借契約も重要な確認事項となります。

第7章|理由⑥ 売却すると税金が高額になる

土地を売却する際には、税金の問題もあります。

特に、長年所有している土地では、取得費を確認できる資料が残っていない場合があります。

売却代金がそのまま手元に残るわけではない

例えば、土地を1億円で売却した場合でも、1億円がそのまま利益になるわけではありません。

取得費、譲渡費用、適用できる特別控除などを考慮して譲渡所得を計算します。

また、個人が土地や建物を売却する場合には、所有期間に応じて長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分があります。

取得費が分からない場合

取得費を確認できない場合などには、一定の要件のもとで売却代金の5%を概算取得費として計算できる制度があります。

ただし、必ず概算取得費を使うべきとは限りません。

古い資料や取得経緯によって、実際の取得費を確認できる場合もあります。

相続した土地では?

相続によって取得した土地については、原則として被相続人の取得費や取得時期を引き継ぐ扱いがあります。

また、相続税の取得費加算の特例など、一定の条件を満たす場合に利用できる制度もあります。

売却価格だけでなく、税金を差し引いた後にいくら残るのかを確認することが重要です。

第8章|理由⑦ そもそも売却する必要がない

意外に思われるかもしれませんが、これも重要な理由です。

例えば、土地所有者がすでに十分な資産を保有している場合です。

土地を売却して現金化する必要がない。

賃貸収入がある。

将来、子どもや孫に相続させたい。

このような事情があれば、周囲の土地が売却されても、所有し続ける選択は十分に考えられます。

高額な売却提案でも動かない所有者

不動産の売却を検討する理由は、人によって異なります。

資金が必要だから売却する人。

相続対策のために売却する人。

建物の維持管理が難しくなって売却する人。

反対に、特に売却する理由がない人もいます。

売却しないことが、必ずしも不合理な判断とは限りません。

第9章|理由⑧ 再開発を待っているうちに、逆に売却できなくなることも

最後まで土地を所有していれば、必ず高い価格で売却できるのでしょうか。

実際には、そうとは限りません。

例えば、周囲の土地が取得され、大規模な開発計画が進んでいる場合です。

最後に残った所有者が、さらに高い価格を期待して売却を見送ったとします。

しかし、その後に開発業者が計画を変更したらどうなるでしょうか。

残った土地を除外して建築する。

別の場所で開発を進める。

事業計画そのものを中止する。

このような可能性もあります。

土地の価値は周囲の開発によって変化する

周囲に新しい建物が建つことで、土地の利用条件が変化する場合があります。

例えば、建物の配置によって日照や眺望、工事のしやすさなどに影響が生じる可能性があります。

ただし、周囲が開発されたからといって、必ず土地の価値が下がるわけではありません。

地域全体の利便性が向上し、土地の需要が高まる場合もあります。

売却を待つことにも、メリットとリスクの両方があるのです。

第10章|栄・錦・名駅・金山・今池・大須・那古野で考える土地売却

栄・錦エリア

名古屋を代表する商業地の一つです。

古い雑居ビルと新しい商業施設が混在する場所では、土地の利用方法や建替えの可能性が重要になります。

また、飲食店などのテナントが入居している建物では、賃貸借契約の確認も欠かせません。

名駅エリア

名古屋駅周辺では、オフィス、商業施設、ホテルなど、さまざまな土地利用が考えられます。

一方、土地の形状や接道条件、権利関係によって、開発の難易度が異なります。

金山エリア

駅周辺の商業地では、店舗や事務所などの需要に加え、将来の土地利用も検討材料になります。

今池・千種エリア

古い店舗兼住宅や小規模な商業ビルでは、相続や共有名義、テナントとの契約などが売却時の確認事項になります。

大須エリア

古い商店街の建物では、土地と建物の権利関係、長屋・連棟住宅、接道条件などに注意が必要です。

那古野エリア

古い街並みが残る地域では、建物の歴史的な価値や所有者の思い入れが、売却の判断に影響する場合もあります。

なお、特定の地域や建物について、実際に再開発を拒否している所有者がいると断定するものではありません。

第11章|最後の1軒を売却するとき、何を確認するべき?

周囲の土地が売却され、自分の土地だけが残っている場合には、次の事項を確認することをおすすめします。

① 現在の土地の市場価格

周辺の取引事例や土地の利用可能性を踏まえて査定します。

② 開発計画の内容

任意の土地買収なのか、法定の再開発事業なのかを確認します。

③ 土地と建物の権利関係

所有者、共有者、借地権者などを確認します。

④ テナントの賃貸借契約

普通借家契約、定期借家契約、契約期間、保証金などを確認します。

⑤ 相続登記の状況

登記名義人と現在の所有者が一致しているか確認します。

⑥ 売却時の税金

譲渡所得税などを含め、売却後の手残りを試算します。

⑦ 売却しない場合の将来リスク

建物の老朽化、修繕費用、固定資産税、相続なども検討します。

重要なのは、周囲が売却したという理由だけで、急いで判断しないことです。

第12章|よくある質問Q&A

Q1|周囲の土地が全部売却されても、自分だけ売却を拒否できますか?

通常の任意売買であれば、原則として売却するかどうかは所有者が判断できます。ただし、法定の再開発事業などでは別の制度が関係する場合があります。

Q2|最後に残った土地は高く売却できますか?

開発計画上、重要な土地であれば価格交渉に影響する可能性があります。ただし、必ず高額で売却できるわけではありません。

Q3|相続人の1人が反対していても土地を売却できますか?

共有土地全体の売却には、原則として共有者全員の同意が必要です。なお、自分の共有持分だけを売却する方法は考えられます。

Q4|借地権がある土地は売却できますか?

底地として売却できる場合があります。ただし、借地権者の権利を前提として検討する必要があります。

Q5|テナントが退去しなくても売却できますか?

賃貸借契約を引き継ぐオーナーチェンジ売買などが考えられます。ただし、買主の利用目的によって売却条件が異なります。

Q6|再開発業者から売却を求められたら応じる義務がありますか?

通常の任意売買では、原則として応じる義務はありません。ただし、法定再開発などの手続きが進んでいる場合には、制度の確認が必要です。

Q7|古い建物を解体せずに売却できますか?

現況のままで売却できる場合があります。ただし、建物の状態や買主の利用目的によって異なります。

まとめ|最後の1軒が残っている理由は、外から見ただけでは分からない

名古屋の一等地に、古い建物が1軒だけ残っている。

周囲には新しいビルが建ち、再開発が進んでいる。

そんな光景を見ると、

「なぜ売却しないのだろう?」

と思うかもしれません。

しかし、その理由は一つではありません。

売却価格に納得していない。

先祖代々の土地を守りたい。

相続人の意見がまとまらない。

借地権やテナントの問題がある。

税金の負担を心配している。

そもそも売却する必要がない。

このように、さまざまな事情が考えられます。

そして、もう一つ重要なことがあります。

「売らない土地」と「売りたくても売れない土地」は、まったく違うということです。

不動産の価値は、土地の面積や立地だけで決まるものではありません。

所有者の事情、権利関係、建物の状況、将来の利用可能性などによって、売却方法は大きく変わります。

周囲が売却したからといって、必ず売却する必要はありません。

しかし、売却を検討するのであれば、現在の土地の価値や将来のリスクを把握しておくことが重要です。

最後の1軒だからこそ、感情だけでも、価格だけでも判断しないことが大切なのです。

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名古屋仏縁不動産では、名古屋市を中心に愛知県全域で、売却が難しい不動産のご相談に対応しています。

周囲の土地が売却され、自分の土地だけが残っている。

再開発業者から売却を求められている。

古い建物が残っている土地を売却したい。

相続人が多く、売却の話がまとまらない。

借地権や底地の問題がある。

テナントが入居している古いビルを売却したい。

共有名義の土地を売却したい。

他社で売却が難しいと言われた不動産。

こうした物件についても、土地の状況や権利関係、将来の利用可能性を踏まえ、売却方法を検討します。

「今の土地の価値を知りたい」

「再開発に伴う売却について相談したい」

「権利関係が複雑な土地を売却できるか知りたい」

そのような段階からでも、お気軽にご相談ください。

捨てる前に。修繕する前に。壊す前に。まず査定を。

※本記事は2026年時点の一般的な不動産売却・相続・借地借家法・都市再開発制度について解説したものです。個別の土地の権利関係や再開発事業の内容によって法的判断は異なります。具体的な契約や税務については、弁護士・税理士などの専門家へご確認ください。
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