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2026.10.12

【2026年最新版】名古屋の借地・底地は売却できる?地主とのトラブル・地代滞納・更新拒否・相続・借地人との交渉まで訳あり不動産の売却方法を徹底解説|名古屋仏縁不動産(運営:(株)愛知不動産売却センター)

【前編】借地権付き建物は売却できる?地主の承諾拒否・譲渡承諾料・地代滞納・相続トラブルを徹底解説
「親から相続した建物が、実は借地権付きだった」
「地主に売却したいと相談したら、承諾できないと言われた」
「借地権の譲渡承諾料として高額な金銭を請求されている」
「地代を何年も滞納しており、地主との関係が悪化している」
「借地契約の更新を拒否された」
「建物が老朽化しているため、借地権を売却できないのではないか?」
名古屋市で借地権付き建物を所有している方の中には、このような問題を抱えている方もいるのではないでしょうか。
借地権は、通常の土地・建物の所有権とは異なる性質を持つ不動産の権利です。
建物は自分の所有物であっても、土地は地主の所有物。
そのため、建物を売却する際には、地主との関係や借地契約の内容が大きく影響する場合があります。
特に、昔から続いている借地契約では、
契約書が見当たらない。
地代が長年変更されていない。
地主が代替わりしている。
借地人も相続によって変更されている。
更新料や譲渡承諾料について認識が食い違っている。
といった問題が発生することがあります。
しかし、ここで知っておいていただきたいことがあります。
借地権付き建物は、地主とのトラブルがあるからといって、必ず売却できないわけではありません。
借地権の種類や契約内容によっては、地主の承諾を得て第三者へ売却できる場合があります。
また、一定の借地権については、地主の承諾が得られない場合に、裁判所の許可制度を利用できる可能性もあります。
重要なのは、借地権の内容と地主との問題を整理し、適切な売却方法を選択することです。
今回は、名古屋市を中心に事故物件・訳あり物件の売却相談に対応する名古屋仏縁不動産が、借地権と底地の売却方法について前編・後編に分けて詳しく解説します。
前編では、借地権付き建物を所有する借地人側の立場から、売却が難しくなる理由と具体的な対処方法を紹介します。

1|借地権と底地の違いとは?
まず、借地権と底地の違いを理解しておきましょう。
借地権とは、一般に建物の所有を目的として、他人の土地を借りる権利をいいます。
一方、底地とは、借地権が設定されている土地について、地主側が所有する土地の権利を指す言葉です。
例えば、名古屋市内に土地と建物があるケースを考えてみましょう。
土地の所有者はAさん。
建物の所有者はBさん。
BさんはAさんへ毎月地代を支払っている。
この場合、Bさんが借地人、Aさんが地主です。
Bさんが持つ土地利用の権利が借地権。
Aさんが所有する、借地権の負担が付いた土地が底地です。
比較項目 借地権 底地
権利を持つ人 借地人 地主
主な内容 土地を借りて建物を所有・利用する 借地権の負担が付いた土地を所有する
収益・負担 原則として地代を支払う 原則として地代を受け取る
売却時の課題 譲渡承諾・建物の状態など 借地人の権利・地代・契約内容など
売却先の候補 地主・第三者・買取会社 借地人・第三者・買取会社
ただし、実際の権利関係は、賃借権なのか地上権なのか、普通借地権なのか定期借地権なのかによって異なります。
借地権と底地は、土地の利用と所有が分かれているため、通常の所有権物件とは異なる売却上の問題が生じやすい不動産です。

2|借地権付き建物は売却できる?普通借地権・定期借地権・旧法借地権の違い
借地権付き建物を売却する場合、最初に確認したいのが借地権の種類です。
代表的なものとして、
旧借地法に基づく借地権。
借地借家法に基づく普通借地権。
定期借地権。
などがあります。
旧借地法に基づく借地権
1992年8月1日の借地借家法施行前から存在する借地関係については、旧借地法の規定が引き続き関係する場合があります。
名古屋市内の古い住宅地や商店街では、長年継続している借地契約も考えられます。
例えば、
祖父の代から土地を借りている。
契約書は昭和時代のもの。
更新を繰り返している。
現在は孫が建物を所有している。
というケースです。
このような借地権では、契約の成立時期や更新履歴などを確認することが重要です。
普通借地権
普通借地権は、借地借家法に基づく借地権の一つです。
契約期間や更新について法律上の規定があり、地主が一方的に更新を拒絶できるとは限りません。
例えば、契約期間が満了したからといって、必ず借地人が建物を取り壊して土地を返還しなければならないわけではありません。
更新拒絶には、法定の要件や正当事由などが問題になる場合があります。
定期借地権
定期借地権は、一定の要件のもとで契約の更新がないことなどを定める借地権です。
一般定期借地権、事業用定期借地権等、建物譲渡特約付借地権など、制度によって要件が異なります。
定期借地権では、残存期間や契約終了時の建物の取扱いが売却価格に影響する場合があります。
借地権付き建物の売却では、契約書の表題だけでなく、契約成立時期・権利の種類・残存期間・更新条件を確認することが大切です。


3|地主が借地権の売却を承諾しない場合はどうする?
借地権付き建物の売却で、特に多い悩みの一つが地主の承諾問題です。
例えば、名古屋市内で長年借地している住宅を売却しようとしたところ、地主から次のように言われたケースです。
「知らない人に土地を貸したくない」
「借地権の売却は認めない」
「売るなら土地を返してほしい」
「建物を解体して更地で返還してほしい」
このような場合、借地人はどうすればよいのでしょうか。
まず、土地賃借権の譲渡については、原則として地主の承諾が必要となります。
しかし、地主が承諾しなければ絶対に売却できないというわけではありません。
借地借家法第19条による裁判所の許可制度
借地借家法第19条では、一定の要件を満たす場合に、裁判所が地主の承諾に代わる許可を与えることができると定めています。
例えば、借地人が建物を第三者へ売却しようとしている場合です。
買主が土地賃借権を取得しても地主に不利となるおそれがないにもかかわらず、地主が承諾しないときには、裁判所へ申立てを行える場合があります。
ただし、裁判所は借地契約の経緯、残存期間、譲渡の必要性などを考慮して判断します。
また、許可に際して金銭の支払いなどが条件となる場合もあります。

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つまり、
地主が売却を拒否しても、法律上の解決方法が存在する場合があります。
ただし、裁判所の許可が必ず得られるわけではありません。
手続きには時間や費用がかかるため、弁護士への相談を含め、事前に売却の見通しを整理することが重要です。
地主との交渉では何を確認する?
地主が承諾を拒否している場合でも、理由によって解決方法は異なります。
例えば、
買主の信用力に不安がある。
地代の支払いを心配している。
借地契約の条件を変更したい。
将来、自分で土地を使用したい。
こうした事情が考えられます。
そのため、単に承諾を求めるだけでなく、買主の利用目的や借地契約の承継条件を具体的に説明することが有効な場合があります。
また、地主自身が借地権付き建物の購入を希望する可能性もあります。
借地権の売却では、地主を単なる交渉相手としてではなく、購入候補者として検討することも重要です。

4|借地権の譲渡承諾料・名義書換料はいくら必要?
借地権付き建物を売却する際、地主から譲渡承諾料を求められることがあります。
譲渡承諾料は、名義書換料と呼ばれることもあります。
これは、借地権の譲渡について地主の承諾を得る際に、当事者間で取り決められる金銭です。
では、いくら支払う必要があるのでしょうか。
インターネットでは、借地権価格の10%程度が目安として紹介されることがあります。
しかし、
譲渡承諾料が法律で一律10%と決められているわけではありません。
実際の金額は、借地契約の内容、過去の経緯、地域の慣行、地主との協議などによって異なります。
譲渡承諾料が高額な場合の注意点
例えば、借地権付き建物の売却価格が2,000万円。
地主から譲渡承諾料として300万円を求められたとします。
この場合、譲渡承諾料だけで売却価格の15%に相当します。
さらに、仲介手数料や登記費用などが発生する場合には、売主の手取りは少なくなります。
そのため、借地権付き建物を売却するときには、
売却予定価格。
譲渡承諾料。
仲介手数料。
その他諸費用。
税金。
を確認する必要があります。
また、譲渡承諾料を誰が負担するのかについても、売買契約の条件として整理しておくことが重要です。
売却価格が高くても、譲渡承諾料が高額であれば、最終的な手取りが少なくなる可能性があります。

5|地代滞納・更新料トラブルがある借地権は売却できる?
借地権付き建物では、地代や更新料をめぐって地主とのトラブルが発生することがあります。
例えば、
数か月分の地代を滞納している。
地代の値上げを求められている。
更新料の支払いについて意見が分かれている。
地主から契約解除を通知された。
こうした問題です。
地代を滞納している場合
地代の滞納は、借地契約の継続に影響する可能性があります。
ただし、地代を一度支払わなかったからといって、必ず直ちに借地契約が解除されるわけではありません。
契約解除が認められるかどうかは、滞納額、滞納期間、催告の状況、当事者間の信頼関係などによって判断されます。
売却を検討する場合には、まず滞納額や地主からの通知内容を確認する必要があります。
地代の値上げを求められた場合
地主から地代の増額を求められることもあります。
借地借家法第11条では、租税公課の増減、土地価格や経済事情の変動、近隣の地代との比較などによって地代が不相当となった場合、一定の条件のもとで増減額を請求できる制度が定められています。
ただし、地主が値上げを通知すれば、その金額が必ず確定するわけではありません。

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売却時には、現在の地代だけでなく、地代改定について争いがあるかどうかも重要です。
更新料を請求された場合
借地契約の更新時に、地主から更新料を請求されるケースもあります。
しかし、更新料はすべての借地契約で法律上一律に支払義務が発生するものではありません。
契約書の内容や当事者間の合意、過去の経緯などを確認する必要があります。
地代滞納や更新料のトラブルがある借地権では、売却前に契約の有効性や未払金の状況を整理することが大切です。

6|借地上の建物が老朽化・未登記・再建築不可の場合
借地権付き建物では、建物そのものに問題があるケースもあります。
例えば、
築50年以上の木造住宅。
雨漏りしている店舗。
増築部分が未登記の建物。
建築確認関係書類が残っていない住宅。
再建築に制限がある土地。
こうした不動産です。
通常の所有権物件でも売却が難しくなる場合がありますが、借地権付き建物では、さらに借地契約上の条件が関係します。
老朽化した建物は解体した方がよい?
借地権付き建物を売却するとき、特に注意したいのが建物の解体です。
「古い建物だから取り壊してから売却しよう」
と考える方もいるでしょう。
しかし、借地権付き建物では、建物を取り壊すことで借地権の対抗力や契約上の取扱いに影響する可能性があります。
また、建て替えについて地主の承諾が必要になる場合もあります。
借地借家法には、一定の増改築や再築について裁判所の許可制度が設けられていますが、適用には条件があります。

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そのため、
借地上の建物は、売却前に安易に解体しないことが重要です。
解体する前に、借地契約の内容、建て替えの可否、地主との協議状況を確認しましょう。
未登記建物の場合
借地上の建物が未登記の場合にも注意が必要です。
建物の登記は、借地権の第三者に対する対抗力に関係することがあります。
そのため、未登記建物の売却では、建物表題登記や所有権関係の整理が必要になる場合があります。
登記関係については、土地家屋調査士や司法書士などの専門家へ相談することが有効です。

7|相続した借地権は地主の承諾なしで引き継げる?
親が借りていた土地の上に建物があり、その建物と借地権を子どもが相続するケースがあります。
例えば、
父親が名古屋市内の土地を借りていた。
借地上には父親名義の住宅がある。
父親が亡くなった。
子どもが住宅と借地権を相続した。
このような場合です。
ここで重要なのが、
相続による借地権の承継と、第三者への売却は異なる
という点です。
一般的に、相続によって借地権を承継する場合には、通常の賃借権譲渡とは異なり、地主の承諾を必要としません。
ただし、遺贈など相続とは異なる取得原因では取扱いが変わる場合があります。
また、相続した後に第三者へ借地権付き建物を売却する場合には、借地権の種類や契約内容に応じて地主の承諾などが問題になります。
相続した借地権の売却で確認すること
まず、次の事項を確認しましょう。
- 借地契約書の有無
- 契約成立時期
- 借地権の種類
- 現在の地代
- 契約更新の履歴
- 建物の登記名義
- 相続人の人数
- 地主との連絡状況
- 地代滞納の有無
- 建て替えや譲渡に関する契約条件
特に、何十年も前から続く借地契約では、契約書が見つからない場合があります。
そのような場合でも、地代の支払記録や過去の書類、建物の登記情報などから借地関係を確認できることがあります。
相続した借地権は、まず権利の内容を整理することが売却への第一歩です。

借地権付き建物を売却する3つの方法
ここまで借地権の問題を紹介しましたが、売却方法は大きく3つに分けて考えられます。
① 地主へ借地権付き建物を売却する
地主自身が借地権付き建物を購入する方法です。
地主にとっては、土地と建物の権利関係を整理できるメリットがあります。
ただし、地主に購入義務があるわけではありません。
また、売却価格について双方の合意が必要です。
② 地主の承諾を得て第三者へ売却する
地主の承諾を得て、一般の買主や不動産会社へ売却する方法です。
譲渡承諾料や借地契約の承継条件について、事前に協議することが重要です。
また、買主が金融機関の融資を利用する場合には、借地契約の内容が融資審査に影響することがあります。
③ 専門家と協議し、法的手続きを含めて売却方法を検討する
地主との協議がまとまらない場合には、弁護士などの専門家へ相談し、裁判所の許可制度を含めて検討する方法があります。
ただし、借地権の種類や契約状況によって利用できる制度は異なります。
法的手続きを行う場合には、費用や期間、見通しについて十分に確認することが重要です。

借地権の売却価格はどう決まる?
借地権付き建物の売却価格は、土地の価格だけで決まるわけではありません。
例えば、
土地の立地。
借地面積。
借地権の種類。
借地契約の残存期間。
地代の金額。
建物の状態。
地主の譲渡承諾。
譲渡承諾料。
建て替えの可否。
などが影響します。
なお、相続税評価などで用いられる借地権割合は、実際の売却価格をそのまま示すものではありません。
例えば、借地権割合が60%とされている地域でも、借地権が必ず更地価格の60%で売却できるわけではありません。
買主の需要や契約条件、地主との関係によって市場価格は異なります。
借地権の査定では、路線価や借地権割合だけでなく、実際に売却できる条件を確認することが重要です。

前編まとめ|地主とのトラブルがある借地権でも売却を諦める必要はない
今回は、借地権付き建物の売却について、7つのポイントを解説しました。
① 借地権と底地の違いを理解する
② 借地権の種類と契約内容を確認する
③ 地主が承諾しない場合の対処方法を知る
④ 譲渡承諾料・名義書換料を確認する
⑤ 地代滞納・更新料トラブルを整理する
⑥ 老朽化・未登記・再建築不可の問題を確認する
⑦ 相続した借地権の権利関係を整理する
借地権付き建物は、通常の所有権物件と比べて売却条件が複雑になる場合があります。
しかし、
「地主が承諾しないから売れない」
「地代を滞納しているから売れない」
「建物が古いから売れない」
「相続した借地権だから売れない」
と、一律に判断する必要はありません。
重要なのは、借地権の種類、契約内容、地主との関係、建物の状態を確認することです。
そして、地主への売却・第三者への売却・専門家を通じた問題整理など、複数の方法を比較することが大切です。

後編では「底地の訳あり問題と売却方法」を徹底解説
後編では、地主側の立場から、底地の売却について詳しく解説します。
特に取り上げるのは、次のような問題です。
⑧ 相続した底地が売れない理由
⑨ 借地人が底地を買い取ってくれない場合
⑩ 地代が安すぎる底地・地代滞納がある底地
⑪ 借地人と連絡が取れない場合
⑫ 借地契約書が存在しない場合
⑬ 底地を第三者へ売却する方法
⑭ 借地権と底地を同時売却する方法
⑮ 底地の売却価格と査定ポイント
⑯ 弁護士・司法書士との連携による問題整理
借地権と底地は、同じ土地に関係する権利であっても、借地人と地主では抱える問題が異なります。
後編では、相続した底地を手放したい方や、借地人とのトラブルを抱えている地主の方に向けて、具体的な売却方法を紹介します。

名古屋の借地権・底地・訳あり物件の売却なら名古屋仏縁不動産へ
名古屋仏縁不動産では、名古屋市を中心に愛知県全域で、借地権・底地を含む訳あり不動産の売却相談に対応しています。
地主が売却を承諾しない借地権。
譲渡承諾料でトラブルになっている借地権。
地代滞納がある借地権。
相続した借地権付き建物。
老朽化した借地上の住宅。
借地契約書が見つからない不動産。
未登記建物がある借地権。
再建築に制限がある借地権付き建物。
こうした不動産についても、状況に応じた売却方法を検討します。
また、司法書士や弁護士などの専門家との連携体制も整えており、権利関係が複雑な不動産についてもご相談いただけます。
地主との交渉がまとまっていなくても構いません。
借地契約書が見つからなくても、まずはご相談ください。
他社で売却を断られた借地権付き建物でも、売却方法を検討できる可能性があります。
【2026年最新版】名古屋の借地権・底地は売却できる?地主とのトラブル・地代滞納・更新拒否・相続・借地人との交渉まで訳あり不動産の売却方法を徹底解説
【後編】相続した底地が売れない理由とは?地代滞納・借地人とのトラブル・契約書なし・底地買取まで徹底解説
「親から相続した土地に、他人の建物が建っている」
「毎月地代を受け取っているけれど、固定資産税を支払うとほとんど利益が残らない」
「借地人が底地を買い取ってくれない」
「何十年も地代が変わっていない」
「借地人と連絡が取れず、契約書も見つからない」
「土地を売却したいのに、不動産会社から難しいと言われた」
名古屋市で底地を所有している方の中には、このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
底地は、通常の住宅用地や更地とは異なる不動産です。
土地の所有権は地主にありますが、その土地には借地人の権利が存在しています。
そのため、地主だからといって、土地を自由に使用したり、借地人に一方的な立退きを求めたりできるわけではありません。
さらに、長年続いている借地契約では、地主と借地人の双方で相続が発生し、契約関係が複雑になっていることもあります。
しかし、ここで知っていただきたいことがあります。
底地は、借地人が住んでいても、地主との関係が悪化していても、売却できる可能性があります。
重要なのは、借地人の権利を正しく理解し、底地の価値と売却方法を見極めることです。
前編では、借地権付き建物を所有する借地人側の立場から、地主の承諾拒否、譲渡承諾料、地代滞納、更新拒否、相続などの問題を解説しました。
後編では、土地を所有する地主側の立場から、売却が難しい底地の問題と具体的な解決方法を詳しく紹介します。

8|相続した底地が売れない理由とは?
底地を相続した方から、よく聞かれる疑問があります。
「土地は自分の所有物なのに、なぜ普通の土地と同じように売れないのか?」
その理由は、底地には借地人の権利が存在するからです。
例えば、名古屋市内に100㎡の土地があり、その上に借地人が所有する住宅が建っているとします。
地主は土地の所有者ですが、借地契約が有効に継続している限り、借地人の権利を無視して自由に建物を解体したり、土地を使用したりすることはできません。
底地を購入した第三者も、原則として借地関係を踏まえた利用を考える必要があります。
そのため、一般の住宅購入希望者よりも、借地人本人や不動産投資家、底地を専門に取り扱う会社などが主な購入候補者になることがあります。
底地の売却が難しくなる主な理由
底地には、次のような問題が生じることがあります。
- 借地人が土地を使用しているため、自由に利用できない
- 地代が低く、収益性が高くない
- 借地契約の残存期間や更新条件が複雑
- 借地人との関係が悪化している
- 契約書や過去の合意内容が不明確
- 土地と建物の権利が分かれている
- 買主が限られ、価格交渉が難しい
ただし、これらの事情があるからといって、底地の売却自体が禁止されているわけではありません。
底地の売却では、土地の面積や立地だけでなく、借地契約の内容と地代収入を含めて価値を判断することが重要です。

9|借地人が底地を買い取ってくれない場合はどうする?
底地を売却する際、最初の購入候補者として考えられるのが借地人です。
借地人が底地を購入すれば、土地と建物の所有関係を一体化できる可能性があります。
借地人にとっては、地代の支払いが不要になり、将来の建て替えや売却についても、借地契約に由来する制約が解消されるメリットがあります。
もちろん、建築基準法や都市計画法などの制限は別途残ります。
しかし、借地人が必ず底地を購入してくれるとは限りません。
例えば、
「今のまま借り続けたい」
「土地を購入する資金がない」
「高齢なので新たな借入れをしたくない」
「地主の提示価格が高すぎる」
といった理由で購入を断られる場合があります。
借地人が購入しない場合の売却方法
この場合、地主は借地人以外の第三者への売却を検討できます。
例えば、底地を収益不動産として購入する投資家や、借地権・底地を取り扱う買取会社などです。
なお、地主が底地の所有権を第三者へ売却することについて、原則として借地人の承諾は必要ありません。
これは、借地人が土地賃借権を第三者へ譲渡する場合とは異なる重要なポイントです。
ただし、契約上の特約や個別事情の確認は必要です。
また、買主が地主の地位を承継するためには、借地権の対抗要件や所有権移転登記など、法的関係を適切に整理する必要があります。
借地人が買い取らないから売れないのではなく、購入候補者を変えることも選択肢になります。

10|地代が安すぎる底地・地代滞納がある底地は売れる?
底地の売却価格に大きく影響するのが、地代の金額です。
例えば、名古屋市内に所有する土地について、毎月の地代が1万円だったとします。
年間地代は12万円です。
一方、固定資産税・都市計画税などの負担が年間10万円だった場合、単純計算では年間2万円しか残りません。
実際には管理費用やその他の負担が発生する場合もあります。
このような底地では、投資家が購入価格を慎重に判断する可能性があります。
地代は地主が自由に値上げできる?
地主としては、
「周辺の土地価格が上がっているから地代も上げたい」
と考えるかもしれません。
借地借家法第11条では、土地に対する租税公課の増減、土地価格や経済事情の変動、近隣の地代との比較などにより地代が不相当となった場合、一定の要件のもとで地代の増減額を請求できる制度が定められています。
ただし、地主が一方的に通知した金額が、必ずそのまま確定するわけではありません。
協議がまとまらなければ、調停や訴訟などが問題になる場合もあります。
地代を滞納している借地人がいる場合
地代滞納がある底地では、買主が購入後の回収リスクを考慮するため、売却価格に影響することがあります。
ただし、地代滞納があれば必ず借地契約を解除できるわけではありません。
滞納期間、滞納額、催告の有無、信頼関係が破壊されたといえるかなど、個別事情によって判断されます。
底地の売却前には、現在の地代、未払地代、過去の支払状況を整理しておくことが重要です。

11|借地人と連絡が取れない底地は売却できる?
底地を相続した際に、借地人との連絡が取れないケースもあります。
例えば、
長年、借地人本人と会っていない。
借地人が亡くなったらしいが、相続人が分からない。
建物が空き家になっている。
地代が振り込まれなくなった。
借地人の住所が不明。
このような場合、借地関係を整理することが難しくなる可能性があります。
しかし、借地人と連絡が取れないからといって、地主が自由に建物を取り壊せるわけではありません。
借地契約が有効に継続している可能性があるためです。
借地人が所在不明の場合の対処方法
まず確認したいのは、建物の登記情報や借地契約の履歴です。
必要に応じて、借地人や相続人の調査について弁護士などへ相談します。
また、契約の終了や建物の取扱いについて争いがある場合には、法的手続きが必要になることもあります。
一方、借地関係が整理できていない状態でも、その事情を買主に説明したうえで底地の売却を検討できる場合があります。
ただし、借地人の所在不明という事実だけで、借地権が消滅するわけではありません。
借地人と連絡が取れない底地では、無断で建物を撤去するのではなく、権利関係を確認することが重要です。

12|借地契約書が存在しない底地は売却できる?
昭和時代から続いている借地契約では、契約書が残っていないことがあります。
例えば、
祖父の代から土地を貸している。
契約は口頭で行われた。
更新契約書が見つからない。
地代の領収書しか残っていない。
地主と借地人の双方で相続が発生している。
このようなケースです。
しかし、借地契約書が存在しないからといって、直ちに借地契約が無効になるわけではありません。
契約の成立時期や権利の種類によっては、口頭の合意などによって借地関係が成立している場合があります。
一方、定期借地権などでは、法令上、書面や公正証書等による契約方式が要件となるものがあります。
契約書がない場合に確認したい資料
借地契約書が見つからない場合には、次のような資料が参考になります。
- 過去の地代領収書
- 銀行振込の記録
- 固定資産税関係書類
- 土地・建物の登記情報
- 過去の更新に関する書類
- 地主と借地人の間で交わした書面
- 建物の建築時期が分かる資料
また、借地人との間で契約内容を確認できる場合には、現在の合意内容を書面に整理することも検討できます。
ただし、古い借地契約を新しい契約書に書き換える際には、従来の権利関係を意図せず変更しないよう注意が必要です。
契約書がない底地でも売却を検討できますが、借地関係の内容をできる限り明確にすることが重要です。

13|底地を第三者へ売却する方法|借地人の承諾は必要?
底地は、借地人以外の第三者へ売却することも可能です。
例えば、地主が相続した底地を、不動産投資家や底地買取会社へ売却するケースです。
底地を購入する買主は、借地人からの地代収入や将来的な権利関係の整理などを考慮して購入を検討する場合があります。
ただし、底地を購入したからといって、借地人に直ちに退去を求められるわけではありません。
買主は借地人の権利を踏まえて土地を所有することになります。
底地を第三者へ売却する際の注意点
売却前には、次の事項を確認しておきましょう。
① 借地契約の内容
契約期間、更新条件、地代、特約など。
② 地代の支払状況
滞納の有無や過去の支払履歴。
③ 借地人の状況
現在の使用者、相続の有無、連絡状況など。
④ 土地・建物の登記関係
土地の所有者と建物の登記名義人。
⑤ 借地権の対抗要件
買主が引き継ぐ借地関係の法的な位置付け。
また、底地売却後の地代の支払先変更などについて、借地人への適切な案内も必要になります。
底地の売却では、単に所有権を移転するだけでなく、借地関係を買主へ正確に引き継ぐことが重要です。

14|借地権と底地を同時売却する方法とは?
借地権と底地は、それぞれ別々に売却できます。
しかし、地主と借地人が協力できる場合には、借地権と底地を一体として第三者へ売却する方法も考えられます。
例えば、
地主は土地を売却したい。
借地人も建物を売却したい。
双方が同じタイミングで売却することに合意する。
このような場合です。
土地と建物の権利関係を整理して売却できれば、通常の所有権物件に近い形で買主へ引き渡せる可能性があります。
ただし、具体的な売却方法は権利関係や契約内容によって異なります。
同時売却のメリット
地主にとっては、底地単独で売却する場合よりも、購入候補者が広がる可能性があります。
借地人にとっても、借地権付き建物だけを売却する場合と比較して、売却条件が改善する可能性があります。
ただし、最も重要なのは売却代金の配分です。
例えば、土地と建物を合わせて4,000万円で売却できるとしても、地主と借地人がそれぞれいくら受け取るかについて合意する必要があります。
借地権割合を参考にする場合もありますが、相続税評価上の割合をそのまま売却代金の配分割合にできるとは限りません。
土地・建物の市場価値、借地契約の内容、残存期間、費用負担などを考慮して協議する必要があります。
地主と借地人が協力できる場合には、借地権と底地の同時売却が有力な選択肢になることがあります。

15|底地の売却価格はどう決まる?借地権割合だけでは判断できない
底地を売却する際、多くの方が気になるのが売却価格です。
「土地の相場が3,000万円なら、底地はいくらで売れるのか?」
「借地権割合が60%なら、底地は40%の価値なのか?」
このような疑問を持つ方もいるでしょう。
しかし、底地の売却価格は、相続税評価上の借地権割合だけで決まるものではありません。
底地の査定で確認する主なポイント
① 土地の立地・面積・形状
名古屋市内でも、地域や土地の条件によって需要は異なります。
② 地代の金額
地代収入がどの程度あるのかは、収益性を判断する材料になります。
③ 借地契約の種類と残存期間
旧法借地権、普通借地権、定期借地権などによって評価が異なる場合があります。
④ 借地人との関係
地代滞納や契約上の争いがある場合には、買主がリスクを考慮することがあります。
⑤ 将来の権利関係の整理可能性
借地人による底地購入や、借地権と底地の同時売却が可能かどうかも判断材料になります。
底地の売却価格シミュレーション
例えば、次のような土地を想定します。
仮定のケース|名古屋市内の底地
更地としての想定価格 3,000万円
相続税評価上の借地権割合 60%
毎月の地代 20,000円
年間地代収入 240,000円

この場合、借地権割合から単純計算すると、底地部分は更地価格の40%、つまり1,200万円という数字になります。
しかし、これは実際の売却価格を示すものではありません。
仮に1,200万円で購入した場合、年間地代24万円を単純に割ると表面利回りは2%です。
実際には固定資産税等の負担もあるため、実質的な収益性はさらに低くなる可能性があります。
そのため、投資家が購入を検討する場合には、地代収入や契約内容を踏まえた価格判断が必要になります。
一方、借地人が底地を購入する場合には、土地と建物の権利関係を一体化できるメリットがあるため、第三者への売却とは価格の考え方が異なることもあります。
底地の査定では、相続税評価と実際の市場価格を区別することが重要です。

16|借地人とのトラブルがある底地は、弁護士・司法書士との連携が重要
底地の売却では、通常の不動産売却とは異なる法律問題が発生する場合があります。
例えば、
地代滞納による契約解除。
借地契約の更新拒絶。
借地人との明渡し交渉。
契約内容をめぐる争い。
借地人の相続人との協議。
借地権と底地の同時売却に関する交渉。
などです。
こうした問題は、不動産会社だけで解決できるとは限りません。
法律上の紛争や代理交渉が必要になる場合には、弁護士への相談が適切です。
また、相続登記や所有権移転登記などについては、司法書士との連携が必要になる場合があります。
名古屋仏縁不動産が重視すること
名古屋仏縁不動産では、訳あり不動産の売却について、単に売却価格を提示するだけでなく、問題の内容を整理することを重視しています。
例えば、
借地契約の内容を確認する。
地代や滞納状況を整理する。
相続登記の状況を確認する。
底地単独での売却を検討する。
借地人への売却可能性を確認する。
必要に応じて専門家へ相談する。
こうした対応を通じて、物件の状況に応じた売却方法を検討します。
ただし、法律上の判断や紛争の代理交渉は、必要に応じて弁護士などの専門家が担当することになります。

底地を売却する前に確認したい10項目
底地を所有している方は、売却前に次の事項を確認しておくとよいでしょう。
1. 土地の登記名義は誰になっているか
2. 借地契約書は残っているか
3. 借地権の種類は何か
4. 契約期間や更新条件はどうなっているか
5. 現在の地代はいくらか
6. 地代滞納は発生していないか
7. 借地人と連絡が取れるか
8. 借地人が相続によって変更されていないか
9. 借地人に底地の購入意思があるか
10. 第三者へ売却した場合の査定価格はいくらか
すべての資料がそろっていなくても、売却相談を始めることはできます。
特に、長年相続登記を行っていない底地や、借地契約書が存在しない底地では、まず現状を確認することが重要です。

名古屋市で借地権・底地を売却する際の注意点
名古屋市内でも、借地権・底地の状況は地域によって異なります。
千種区・東区・北区・西区。
中村区・中区・昭和区・瑞穂区。
熱田区・中川区・港区・南区。
守山区・緑区・名東区・天白区。
古くからの住宅地や商業地では、長年継続している借地関係が存在する場合があります。
また、借地上に住宅だけでなく、店舗、事務所、倉庫などが建っているケースも考えられます。
借地権・底地の売却では、土地の立地だけでなく、借地契約の内容、建物の用途、地代収入、権利関係などを総合的に確認する必要があります。
名古屋市内の底地だからといって、すべて同じ方法で売却できるわけではありません。

後編まとめ|相続した底地・借地人とのトラブルがある土地でも売却方法はある
今回は、借地権・底地の売却に関する後編として、地主側の立場から9つのポイントを解説しました。
⑧ 相続した底地が売れない理由
⑨ 借地人が底地を買い取ってくれない場合
⑩ 地代が安すぎる底地・地代滞納がある底地
⑪ 借地人と連絡が取れない場合
⑫ 借地契約書が存在しない場合
⑬ 底地を第三者へ売却する方法
⑭ 借地権と底地を同時売却する方法
⑮ 底地の売却価格と査定ポイント
⑯ 弁護士・司法書士との連携による問題整理
底地は、一般的な土地と比べて売却が難しくなる場合があります。
しかし、
「借地人が買い取ってくれない」
「地代が安すぎる」
「地代を滞納されている」
「契約書が見つからない」
「借地人と連絡が取れない」
といった事情があっても、売却できる可能性はあります。
重要なのは、借地人の権利を尊重しながら、地主としてどのような売却方法を選択できるのかを整理することです。
借地人への売却。
第三者への底地売却。
借地権と底地の同時売却。
専門家と連携した権利関係の整理。
これらを比較することで、物件の状況に応じた売却方法を検討できます。

名古屋の借地権・底地・訳あり不動産の売却なら名古屋仏縁不動産へ
名古屋仏縁不動産では、名古屋市を中心に愛知県全域で、借地権・底地を含む訳あり不動産の売却相談に対応しています。
相続した底地。
借地人が購入を希望しない底地。
地代が安い底地。
地代滞納がある底地。
借地人と連絡が取れない底地。
借地契約書が見つからない底地。
地主と借地人の関係が悪化している不動産。
借地権と底地の同時売却を検討している不動産。
こうした物件についても、状況に応じた売却方法を検討します。
また、司法書士や弁護士などの専門家との連携体制も整えており、相続登記や権利関係が複雑な不動産についてもご相談いただけます。
借地人との交渉がまとまっていなくても構いません。
借地契約書が見つからなくても、まずはご相談ください。
他社で売却を断られた底地でも、売却方法を検討できる可能性があります。


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