2026.10.11
名古屋で売却が難しい訳あり物件20選|再建築不可・違法建築・未登記建物・越境・借地権・底地・共有持分まで売却方法を徹底解説【2026年最新版】|名古屋仏縁不動産(運営:(株)愛知不動産売却センター)
【前編】建物・土地に問題がある訳あり物件10選|他社で売却を断られた不動産を売る方法とは?
「不動産会社に相談したら、売却は難しいと言われた」
「再建築不可の土地だから買い取れないと断られた」
「古い建物が未登記のまま残っている」
「隣地との境界が分からず、売却が進まない」
「違法建築の可能性があると言われた」
「雨漏りや建物の傾きがあるため、買主が見つからない」
名古屋市で不動産の売却を検討している方の中には、このような問題を抱えている方もいるのではないでしょうか。
一般的な住宅や土地であれば、立地・築年数・面積・周辺相場などを基に売却価格を検討できます。
しかし、いわゆる「訳あり物件」では、それだけでは判断できません。
建築基準法上の制限。
土地の接道状況。
未登記建物。
隣地との越境。
私道の通行権。
建物の構造上の問題。
共有者との権利関係。
こうした事情が重なることで、一般的な不動産より売却が難しくなる場合があります。
しかし、ここで知っておいていただきたいことがあります。
訳あり物件だからといって、必ず売却できないわけではありません。
例えば、再建築不可物件でも、既存建物を利用する目的で購入を検討する方がいるかもしれません。
未登記建物でも、登記関係を整理することで売却を進められる場合があります。
越境している不動産でも、隣地所有者との協議や現況を踏まえた契約条件によって売却できる可能性があります。
重要なのは、何が売却の障害になっているのかを正確に把握することです。
今回は、名古屋市を中心に事故物件・訳あり物件の売却相談に対応する名古屋仏縁不動産が、売却が難しい訳あり物件20種類を前編・後編に分けて解説します。
前編では、建物や土地に問題がある10種類の訳あり物件を取り上げ、それぞれの売却方法と注意点を詳しく紹介します。
そもそも訳あり物件とは?売却が難しくなる4つの理由
「訳あり物件」という言葉は、不動産業界で広く使用されていますが、法律上すべての物件を一律に分類する正式な区分ではありません。
一般的には、通常の不動産と比較して、売却価格や売却条件に影響する事情を抱えた物件を指すことが多くあります。
訳あり物件の問題は、大きく4つに分けて考えられます。
① 建築上の問題
再建築不可、違法建築、既存不適格、無許可増築など。
② 土地・境界の問題
越境、境界未確定、私道、擁壁、接道条件など。
③ 権利関係の問題
共有持分、借地権、底地、相続登記未了など。
④ 物理的・心理的な問題
雨漏り、建物の傾き、シロアリ、孤独死、事件・事故、ゴミ屋敷など。
これらの問題があるからといって、必ずしも売却が不可能になるわけではありません。
ただし、購入後の利用方法が制限されたり、住宅ローンの利用が難しくなったり、追加費用が発生したりする可能性があります。
そのため、一般的な住宅と同じ売却方法が適しているとは限りません。
1|再建築不可物件|建て替えできない土地でも売却できる?
再建築不可物件とは、現在の建物を取り壊した場合などに、原則として新たな建物を建築できない不動産を指します。
代表的な原因が、建築基準法上の接道条件を満たしていないことです。
建築基準法では、原則として建築物の敷地は同法上の道路に2メートル以上接している必要があります。
例えば、
前面道路が建築基準法上の道路ではない。
道路に接している間口が2メートル未満。
通路状の土地を経由しなければ道路に出られない。
このような場合、建て替えに制限が生じる可能性があります。
ただし、建築基準法第43条第2項の認定・許可などによって建築が認められる場合もあり、接道条件だけで一律に判断できるわけではありません。
再建築不可物件の売却方法
再建築不可物件でも、既存建物を活用したい買主や、不動産投資家が購入を検討する可能性があります。
また、隣地所有者にとっては、敷地を拡張できるメリットがあるかもしれません。
売却方法としては、
既存建物を残したまま仲介で売却する。
隣地所有者へ購入を打診する。
訳あり物件を取り扱う買取会社へ相談する。
接道条件の改善可能性を調査する。
などが考えられます。
注意したいのは、売却前に安易に建物を解体しないことです。
建物を取り壊した後に再建築できなければ、買主の利用方法がさらに限られる可能性があります。
2|違法建築物件|建築基準法に違反していても売却できる?
違法建築物件とは、建築基準法などの法令に適合していない状態の建物を指します。
例えば、
建築確認を受けずに必要な工事を行った。
建ぺい率や容積率の制限を超えて増築した。
必要な防火・避難設備が設けられていない。
用途制限に違反した使用をしている。
などのケースが考えられます。
違法建築物件では、金融機関の融資審査に影響する場合があります。
また、行政から是正を求められる可能性もあります。
違法建築物件の売却方法
まず重要なのは、何が法令に適合していないのかを確認することです。
建築確認済証。
検査済証。
建築計画概要書。
設計図面。
増築履歴。
などを確認し、必要に応じて建築士や行政窓口へ相談します。
違反内容によっては、是正工事によって改善できる場合があります。
一方、是正に多額の費用がかかる場合には、現状を十分に説明したうえで売却する方法も検討対象となります。
ただし、現状有姿で売却すれば法令違反に関する責任がすべてなくなるわけではありません。
違反の内容、行政対応、契約上の説明事項などを整理することが重要です。
3|既存不適格建築物|違法建築とは何が違う?
既存不適格建築物とは、建築当時は適法だったものの、その後の法令改正などによって現行の基準に適合しなくなった建物をいいます。
例えば、
建築当時は認められていた容積率。
その後の都市計画変更で容積率が引き下げられた。
現在の建物は新しい基準を超えている。
このようなケースです。
重要なのは、
既存不適格建築物と違法建築物は同じではない
ということです。
既存不適格建築物は、一定の要件のもとで従前の状態が認められている場合があります。
ただし、増築・改築・大規模な修繕などを行う際には、現行法への適合が問題になることがあります。
既存不適格建築物の売却方法
売却時には、
建築当時の法令。
現在の法令。
既存不適格となっている内容。
増改築時の制限。
などを確認します。
買主が将来建て替えを予定している場合には、現在と同じ規模の建物を再建築できるとは限りません。
そのため、将来の建築可能規模を把握しておくことが重要です。
既存不適格だから売れないのではなく、将来どのように利用できるのかを説明できることが売却のポイントになります。
4|未登記建物|登記されていない建物は売却できる?
未登記建物とは、建物が存在しているにもかかわらず、建物の表題登記などが行われていない建物を指します。
例えば、
古い住宅。
相続した倉庫。
昔からある店舗。
離れ。
農業用の建物。
などで見られることがあります。
未登記建物は、登記簿上で建物の存在や所有者を確認できないため、売却時に問題となることがあります。
また、固定資産税が課税されているからといって、建物の登記が済んでいるとは限りません。
未登記建物の売却方法
まず、建物が本当に未登記なのかを確認します。
そのうえで、
建物表題登記。
所有権保存登記。
相続関係の整理。
所有権を証明する資料の確認。
などを検討します。
建物表題登記については、土地家屋調査士への相談が必要になる場合があります。
また、所有権保存登記などについては司法書士が関係します。
なお、未登記建物については登記義務が問題になる場合もあるため、単に「未登記のまま売ればよい」と考えるべきではありません。
売却前に登記関係を整理することで、買主が安心して検討できる可能性があります。
5|増築部分が未登記の建物|登記簿と現況が違う場合
未登記建物とは別に、既存の建物へ増築した部分だけが登記されていないケースもあります。
例えば、
登記簿上の床面積は80㎡。
実際の建物は110㎡。
30㎡の増築部分が登記されていない。
という状況です。
このような場合、単に登記面積と現況面積が異なるだけでなく、増築時の建築確認や法令適合性も問題になることがあります。
増築未登記物件の売却方法
まず確認したいのが、
いつ増築されたのか。
誰が増築したのか。
建築確認が必要だったのか。
現在の法令に適合しているのか。
という点です。
増築部分について建物表題部変更登記が必要となる場合があります。
また、増築によって建ぺい率や容積率を超えている場合には、別途法令上の問題が生じる可能性があります。
登記を修正すれば建築基準法上の問題まで解消するわけではありません。
登記と建築法令の問題を分けて確認することが大切です。
6|越境物件|隣地へ建物や塀がはみ出していても売れる?
越境物件とは、建物や工作物などが隣地との境界を越えて存在している不動産を指します。
例えば、
建物の屋根が隣地へ出ている。
雨樋が越境している。
ブロック塀が境界を越えている。
樹木の枝が隣地へ伸びている。
隣地の配管が自分の土地を通っている。
などです。
越境は、売却時に買主から問題視されることがあります。
特に、建物を建て替える際や、隣地所有者との関係が悪化している場合には注意が必要です。
越境物件の売却方法
まず、越境している部分と境界の位置を確認します。
必要に応じて測量を行い、隣地所有者と協議することになります。
例えば、
越境部分を撤去する。
将来の建て替え時に是正する内容を協議する。
越境の状況を記録する。
買主へ事情を説明する。
などの対応が考えられます。
ただし、隣地所有者との合意書を作成すれば、あらゆる法的問題が解消するわけではありません。
また、越境部分の撤去を一方的に行うと、新たなトラブルにつながる場合があります。
越境物件では、事実関係を整理し、買主が引き継ぐ問題を明確にすることが重要です。
7|境界未確定の土地|測量できない土地は売却できる?
土地を売却する際、境界が明確になっていないことがあります。
例えば、
境界標が見当たらない。
隣地所有者が立会いに応じない。
古い測量図しかない。
登記面積と現況面積が異なる。
隣地所有者と境界について意見が分かれている。
などです。
境界が未確定の土地では、買主が購入後に隣地トラブルを抱える可能性があります。
そのため、売却条件に影響することがあります。
境界未確定土地の売却方法
一般的には、土地家屋調査士などへ相談し、測量や境界確認を検討します。
ただし、隣地所有者の協力が得られない場合など、境界確定が難しいケースもあります。
その場合でも、
現況を説明して売却する。
境界確認の状況を契約書に明記する。
測量未了を踏まえた価格で買取を検討する。
などの方法が考えられます。
ただし、境界未確定のまま売却できるかどうかは、買主の意向や金融機関の審査、契約条件などによって異なります。
境界が確定していないからといって、必ず売却できないわけではありません。
8|私道の通行・掘削承諾に問題がある土地
名古屋市内の古い住宅地では、前面道路が私道になっているケースがあります。
私道に接している土地では、
道路の所有者は誰なのか。
通行する権利があるのか。
水道管やガス管の工事ができるのか。
掘削について承諾が必要なのか。
といった点が問題になる場合があります。
例えば、前面道路が第三者所有の私道で、通行や工事について権利関係が整理されていないケースです。
買主が将来建て替えを予定している場合、ライフライン工事の可否は重要な判断材料になります。
私道に問題がある土地の売却方法
まず確認したいのは、
私道の登記情報。
道路の法的な位置付け。
通行に関する権利。
掘削に関する権利や承諾の状況。
上下水道・ガス管の埋設状況。
などです。
なお、民法上、一定の要件のもとでライフライン設備の設置・使用に関する権利が認められる場合があります。
そのため、私道所有者の承諾がないという理由だけで、直ちに工事が不可能と決まるわけではありません。
ただし、具体的な権利関係や工事方法、費用負担などの確認が必要です。
私道の問題では、通行と掘削を分けて確認することが重要です。
9|擁壁に問題がある土地|古い擁壁がある土地は売れる?
高低差のある土地では、擁壁が設置されていることがあります。
擁壁とは、土地の土砂が崩れることを防ぐための構造物です。
しかし、古い擁壁では、
ひび割れ。
膨らみ。
傾き。
排水不良。
構造の不明確さ。
などが問題になる場合があります。
また、擁壁の安全性や法令上の取扱いによっては、建て替えや造成工事に影響することがあります。
擁壁に問題がある土地の売却方法
まず、擁壁の状態や関連資料を確認します。
必要に応じて建築士や専門業者、行政窓口へ相談します。
擁壁の改修が必要となる場合には、多額の費用がかかる可能性があります。
そのため、
売主が改修してから売却する。
現状のまま売却する。
改修費用を踏まえて価格を設定する。
などの方法を比較します。
ただし、安全上の危険がある場合には、必要な対応を優先する必要があります。
擁壁のある土地では、土地の広さだけでなく、改修費用や将来の利用制限まで考慮することが重要です。
10|雨漏り・傾き・シロアリ被害のある建物
最後に紹介するのが、建物そのものに物理的な問題がある不動産です。
例えば、
屋根から雨漏りしている。
外壁から漏水している。
床が傾いている。
基礎にひび割れがある。
シロアリ被害がある。
柱や梁が腐食している。
などのケースです。
こうした建物は、修繕費用が高額になる可能性があるため、一般の買主が購入をためらう場合があります。
また、建物の状態によっては、金融機関の融資審査に影響することもあります。
建物に不具合がある場合の売却方法
売却方法としては、
修繕してから仲介で売却する。
不具合を説明したうえで現状売却する。
建物を解体して土地として売却する。
訳あり物件を取り扱う買取会社へ相談する。
などが考えられます。
ただし、必ずしも修繕した方が得になるとは限りません。
例えば、雨漏り修繕に200万円かかる一方で、修繕後の売却価格が100万円しか上がらない場合、費用を回収できない可能性があります。
また、建物を解体する場合には、解体費用だけでなく、再建築の可否も確認する必要があります。
なお、売主が把握している不具合については、買主へ適切に説明し、契約内容を整理することが重要です。
現状有姿で売却することと、契約不適合責任が当然に免除されることは別です。
訳あり物件は修繕してから売るべき?現状のまま売るべき?
ここまで10種類の訳あり物件を紹介しました。
共通しているのは、
問題を解決してから売却する方法と、問題を残したまま売却する方法の両方を検討できる場合がある
ということです。
例えば、次のようなケースを考えてみましょう。
訳あり物件の売却方法を比較
比較項目 修繕後に売却 現状のまま売却
売却価格 高くなる可能性 低くなる場合がある
事前費用 発生しやすい 抑えられる場合がある
売却期間 工事期間が必要 短縮できる可能性
注意点 工事費用を回収できるか 不具合の説明・契約条件
例えば、現状買取価格が1,500万円。
修繕費用が300万円。
修繕後の売却価格が1,700万円。
という場合、修繕によって売却価格は200万円上がりますが、修繕費用は300万円です。
この条件だけを比較すれば、現状のまま売却した方が手元に残る金額が多くなる可能性があります。
ただし、仲介手数料や税金、売却期間なども考慮する必要があります。
訳あり物件では、売却価格よりも最終的な手取りを重視することが大切です。
名古屋市で訳あり物件を売却するなら、まず確認したいこと
名古屋市内でも、土地や建物の状況は地域によって異なります。
千種区・東区・北区・西区。
中村区・中区・昭和区・瑞穂区。
熱田区・中川区・港区・南区。
守山区・緑区・名東区・天白区。
同じ名古屋市でも、道路状況や建物の築年数、土地利用の制限などはさまざまです。
特に古い住宅や店舗では、建築当時の資料が残っていない場合もあります。
そのため、売却前には次の点を整理しておくとよいでしょう。
- 土地・建物の登記情報
- 接道状況
- 建築確認・検査済証の有無
- 増築・改築の履歴
- 境界・越境の状況
- 私道の権利関係
- 建物の不具合
- 修繕・解体に必要な費用
資料がすべてそろっていなくても、売却相談を始めることはできます。
まずは現状を把握し、どのような売却方法が考えられるのかを確認しましょう。
前編まとめ|建物・土地に問題があっても売却を諦める必要はない
今回は、売却が難しい訳あり物件20種類のうち、建物・土地に問題がある10種類を紹介しました。
① 再建築不可物件
② 違法建築物件
③ 既存不適格建築物
④ 未登記建物
⑤ 増築部分が未登記の建物
⑥ 越境物件
⑦ 境界未確定の土地
⑧ 私道の通行・掘削承諾に問題がある土地
⑨ 擁壁に問題がある土地
⑩ 雨漏り・傾き・シロアリ被害のある建物
こうした不動産は、一般的な住宅や土地と比べて売却が難しくなる場合があります。
しかし、
「再建築できないから売れない」
「未登記だから売れない」
「越境しているから売れない」
「雨漏りがあるから売れない」
と一律に判断することはできません。
重要なのは、問題の内容を確認し、買主がどのように利用できる不動産なのかを整理することです。
また、売却前に多額の修繕費用や解体費用を支払う前に、現状のまま売却できる可能性を確認することも大切です。
他社で売却を断られた不動産でも、売却方法を見直すことで新たな可能性が見つかる場合があります。
後編では「権利関係・心理的問題がある訳あり物件10選」を解説
後編では、さらに売却が難しい次の10種類を詳しく解説します。
⑪ 共有者と連絡が取れない不動産
⑫ 共有持分だけの売却
⑬ 借地権付き建物
⑭ 底地
⑮ 相続登記が未了の不動産
⑯ 市街化調整区域内の土地・建物
⑰ 立退き交渉が必要な賃貸中物件
⑱ 孤独死・自殺・事件があった物件
⑲ ゴミ屋敷・大量の残置物がある物件
⑳ 土壌汚染・地中埋設物が疑われる土地
後編では、権利関係が複雑な不動産や、心理的・物理的な問題を抱える物件について、売却方法と注意点を詳しく紹介します。
名古屋の訳あり物件売却なら、名古屋仏縁不動産へ
名古屋仏縁不動産では、名古屋市を中心に愛知県全域で、事故物件・訳あり物件の売却相談に対応しています。
再建築不可物件。
違法建築・既存不適格建築物。
未登記建物。
越境物件。
境界未確定の土地。
私道に問題がある土地。
擁壁に問題がある不動産。
雨漏り・傾き・シロアリ被害のある建物。
こうした物件についても、状況に応じた売却方法を検討します。
司法書士や弁護士などの専門家との連携体制も整えており、権利関係が複雑な不動産についてもご相談いただけます。
修繕する前でも構いません。
解体する前でも構いません。
登記関係が整理されていなくても、まずはご相談ください。
「不動産会社に相談したら、売却は難しいと言われた」
「再建築不可の土地だから買い取れないと断られた」
「古い建物が未登記のまま残っている」
「隣地との境界が分からず、売却が進まない」
「違法建築の可能性があると言われた」
「雨漏りや建物の傾きがあるため、買主が見つからない」
名古屋市で不動産の売却を検討している方の中には、このような問題を抱えている方もいるのではないでしょうか。
一般的な住宅や土地であれば、立地・築年数・面積・周辺相場などを基に売却価格を検討できます。
しかし、いわゆる「訳あり物件」では、それだけでは判断できません。
建築基準法上の制限。
土地の接道状況。
未登記建物。
隣地との越境。
私道の通行権。
建物の構造上の問題。
共有者との権利関係。
こうした事情が重なることで、一般的な不動産より売却が難しくなる場合があります。
しかし、ここで知っておいていただきたいことがあります。
訳あり物件だからといって、必ず売却できないわけではありません。
例えば、再建築不可物件でも、既存建物を利用する目的で購入を検討する方がいるかもしれません。
未登記建物でも、登記関係を整理することで売却を進められる場合があります。
越境している不動産でも、隣地所有者との協議や現況を踏まえた契約条件によって売却できる可能性があります。
重要なのは、何が売却の障害になっているのかを正確に把握することです。
今回は、名古屋市を中心に事故物件・訳あり物件の売却相談に対応する名古屋仏縁不動産が、売却が難しい訳あり物件20種類を前編・後編に分けて解説します。
前編では、建物や土地に問題がある10種類の訳あり物件を取り上げ、それぞれの売却方法と注意点を詳しく紹介します。
そもそも訳あり物件とは?売却が難しくなる4つの理由
「訳あり物件」という言葉は、不動産業界で広く使用されていますが、法律上すべての物件を一律に分類する正式な区分ではありません。
一般的には、通常の不動産と比較して、売却価格や売却条件に影響する事情を抱えた物件を指すことが多くあります。
訳あり物件の問題は、大きく4つに分けて考えられます。
① 建築上の問題
再建築不可、違法建築、既存不適格、無許可増築など。
② 土地・境界の問題
越境、境界未確定、私道、擁壁、接道条件など。
③ 権利関係の問題
共有持分、借地権、底地、相続登記未了など。
④ 物理的・心理的な問題
雨漏り、建物の傾き、シロアリ、孤独死、事件・事故、ゴミ屋敷など。
これらの問題があるからといって、必ずしも売却が不可能になるわけではありません。
ただし、購入後の利用方法が制限されたり、住宅ローンの利用が難しくなったり、追加費用が発生したりする可能性があります。
そのため、一般的な住宅と同じ売却方法が適しているとは限りません。
1|再建築不可物件|建て替えできない土地でも売却できる?
再建築不可物件とは、現在の建物を取り壊した場合などに、原則として新たな建物を建築できない不動産を指します。
代表的な原因が、建築基準法上の接道条件を満たしていないことです。
建築基準法では、原則として建築物の敷地は同法上の道路に2メートル以上接している必要があります。
例えば、
前面道路が建築基準法上の道路ではない。
道路に接している間口が2メートル未満。
通路状の土地を経由しなければ道路に出られない。
このような場合、建て替えに制限が生じる可能性があります。
ただし、建築基準法第43条第2項の認定・許可などによって建築が認められる場合もあり、接道条件だけで一律に判断できるわけではありません。
再建築不可物件の売却方法
再建築不可物件でも、既存建物を活用したい買主や、不動産投資家が購入を検討する可能性があります。
また、隣地所有者にとっては、敷地を拡張できるメリットがあるかもしれません。
売却方法としては、
既存建物を残したまま仲介で売却する。
隣地所有者へ購入を打診する。
訳あり物件を取り扱う買取会社へ相談する。
接道条件の改善可能性を調査する。
などが考えられます。
注意したいのは、売却前に安易に建物を解体しないことです。
建物を取り壊した後に再建築できなければ、買主の利用方法がさらに限られる可能性があります。
2|違法建築物件|建築基準法に違反していても売却できる?
違法建築物件とは、建築基準法などの法令に適合していない状態の建物を指します。
例えば、
建築確認を受けずに必要な工事を行った。
建ぺい率や容積率の制限を超えて増築した。
必要な防火・避難設備が設けられていない。
用途制限に違反した使用をしている。
などのケースが考えられます。
違法建築物件では、金融機関の融資審査に影響する場合があります。
また、行政から是正を求められる可能性もあります。
違法建築物件の売却方法
まず重要なのは、何が法令に適合していないのかを確認することです。
建築確認済証。
検査済証。
建築計画概要書。
設計図面。
増築履歴。
などを確認し、必要に応じて建築士や行政窓口へ相談します。
違反内容によっては、是正工事によって改善できる場合があります。
一方、是正に多額の費用がかかる場合には、現状を十分に説明したうえで売却する方法も検討対象となります。
ただし、現状有姿で売却すれば法令違反に関する責任がすべてなくなるわけではありません。
違反の内容、行政対応、契約上の説明事項などを整理することが重要です。
3|既存不適格建築物|違法建築とは何が違う?
既存不適格建築物とは、建築当時は適法だったものの、その後の法令改正などによって現行の基準に適合しなくなった建物をいいます。
例えば、
建築当時は認められていた容積率。
その後の都市計画変更で容積率が引き下げられた。
現在の建物は新しい基準を超えている。
このようなケースです。
重要なのは、
既存不適格建築物と違法建築物は同じではない
ということです。
既存不適格建築物は、一定の要件のもとで従前の状態が認められている場合があります。
ただし、増築・改築・大規模な修繕などを行う際には、現行法への適合が問題になることがあります。
既存不適格建築物の売却方法
売却時には、
建築当時の法令。
現在の法令。
既存不適格となっている内容。
増改築時の制限。
などを確認します。
買主が将来建て替えを予定している場合には、現在と同じ規模の建物を再建築できるとは限りません。
そのため、将来の建築可能規模を把握しておくことが重要です。
既存不適格だから売れないのではなく、将来どのように利用できるのかを説明できることが売却のポイントになります。
4|未登記建物|登記されていない建物は売却できる?
未登記建物とは、建物が存在しているにもかかわらず、建物の表題登記などが行われていない建物を指します。
例えば、
古い住宅。
相続した倉庫。
昔からある店舗。
離れ。
農業用の建物。
などで見られることがあります。
未登記建物は、登記簿上で建物の存在や所有者を確認できないため、売却時に問題となることがあります。
また、固定資産税が課税されているからといって、建物の登記が済んでいるとは限りません。
未登記建物の売却方法
まず、建物が本当に未登記なのかを確認します。
そのうえで、
建物表題登記。
所有権保存登記。
相続関係の整理。
所有権を証明する資料の確認。
などを検討します。
建物表題登記については、土地家屋調査士への相談が必要になる場合があります。
また、所有権保存登記などについては司法書士が関係します。
なお、未登記建物については登記義務が問題になる場合もあるため、単に「未登記のまま売ればよい」と考えるべきではありません。
売却前に登記関係を整理することで、買主が安心して検討できる可能性があります。
5|増築部分が未登記の建物|登記簿と現況が違う場合
未登記建物とは別に、既存の建物へ増築した部分だけが登記されていないケースもあります。
例えば、
登記簿上の床面積は80㎡。
実際の建物は110㎡。
30㎡の増築部分が登記されていない。
という状況です。
このような場合、単に登記面積と現況面積が異なるだけでなく、増築時の建築確認や法令適合性も問題になることがあります。
増築未登記物件の売却方法
まず確認したいのが、
いつ増築されたのか。
誰が増築したのか。
建築確認が必要だったのか。
現在の法令に適合しているのか。
という点です。
増築部分について建物表題部変更登記が必要となる場合があります。
また、増築によって建ぺい率や容積率を超えている場合には、別途法令上の問題が生じる可能性があります。
登記を修正すれば建築基準法上の問題まで解消するわけではありません。
登記と建築法令の問題を分けて確認することが大切です。
6|越境物件|隣地へ建物や塀がはみ出していても売れる?
越境物件とは、建物や工作物などが隣地との境界を越えて存在している不動産を指します。
例えば、
建物の屋根が隣地へ出ている。
雨樋が越境している。
ブロック塀が境界を越えている。
樹木の枝が隣地へ伸びている。
隣地の配管が自分の土地を通っている。
などです。
越境は、売却時に買主から問題視されることがあります。
特に、建物を建て替える際や、隣地所有者との関係が悪化している場合には注意が必要です。
越境物件の売却方法
まず、越境している部分と境界の位置を確認します。
必要に応じて測量を行い、隣地所有者と協議することになります。
例えば、
越境部分を撤去する。
将来の建て替え時に是正する内容を協議する。
越境の状況を記録する。
買主へ事情を説明する。
などの対応が考えられます。
ただし、隣地所有者との合意書を作成すれば、あらゆる法的問題が解消するわけではありません。
また、越境部分の撤去を一方的に行うと、新たなトラブルにつながる場合があります。
越境物件では、事実関係を整理し、買主が引き継ぐ問題を明確にすることが重要です。
7|境界未確定の土地|測量できない土地は売却できる?
土地を売却する際、境界が明確になっていないことがあります。
例えば、
境界標が見当たらない。
隣地所有者が立会いに応じない。
古い測量図しかない。
登記面積と現況面積が異なる。
隣地所有者と境界について意見が分かれている。
などです。
境界が未確定の土地では、買主が購入後に隣地トラブルを抱える可能性があります。
そのため、売却条件に影響することがあります。
境界未確定土地の売却方法
一般的には、土地家屋調査士などへ相談し、測量や境界確認を検討します。
ただし、隣地所有者の協力が得られない場合など、境界確定が難しいケースもあります。
その場合でも、
現況を説明して売却する。
境界確認の状況を契約書に明記する。
測量未了を踏まえた価格で買取を検討する。
などの方法が考えられます。
ただし、境界未確定のまま売却できるかどうかは、買主の意向や金融機関の審査、契約条件などによって異なります。
境界が確定していないからといって、必ず売却できないわけではありません。
8|私道の通行・掘削承諾に問題がある土地
名古屋市内の古い住宅地では、前面道路が私道になっているケースがあります。
私道に接している土地では、
道路の所有者は誰なのか。
通行する権利があるのか。
水道管やガス管の工事ができるのか。
掘削について承諾が必要なのか。
といった点が問題になる場合があります。
例えば、前面道路が第三者所有の私道で、通行や工事について権利関係が整理されていないケースです。
買主が将来建て替えを予定している場合、ライフライン工事の可否は重要な判断材料になります。
私道に問題がある土地の売却方法
まず確認したいのは、
私道の登記情報。
道路の法的な位置付け。
通行に関する権利。
掘削に関する権利や承諾の状況。
上下水道・ガス管の埋設状況。
などです。
なお、民法上、一定の要件のもとでライフライン設備の設置・使用に関する権利が認められる場合があります。
そのため、私道所有者の承諾がないという理由だけで、直ちに工事が不可能と決まるわけではありません。
ただし、具体的な権利関係や工事方法、費用負担などの確認が必要です。
私道の問題では、通行と掘削を分けて確認することが重要です。
9|擁壁に問題がある土地|古い擁壁がある土地は売れる?
高低差のある土地では、擁壁が設置されていることがあります。
擁壁とは、土地の土砂が崩れることを防ぐための構造物です。
しかし、古い擁壁では、
ひび割れ。
膨らみ。
傾き。
排水不良。
構造の不明確さ。
などが問題になる場合があります。
また、擁壁の安全性や法令上の取扱いによっては、建て替えや造成工事に影響することがあります。
擁壁に問題がある土地の売却方法
まず、擁壁の状態や関連資料を確認します。
必要に応じて建築士や専門業者、行政窓口へ相談します。
擁壁の改修が必要となる場合には、多額の費用がかかる可能性があります。
そのため、
売主が改修してから売却する。
現状のまま売却する。
改修費用を踏まえて価格を設定する。
などの方法を比較します。
ただし、安全上の危険がある場合には、必要な対応を優先する必要があります。
擁壁のある土地では、土地の広さだけでなく、改修費用や将来の利用制限まで考慮することが重要です。
10|雨漏り・傾き・シロアリ被害のある建物
最後に紹介するのが、建物そのものに物理的な問題がある不動産です。
例えば、
屋根から雨漏りしている。
外壁から漏水している。
床が傾いている。
基礎にひび割れがある。
シロアリ被害がある。
柱や梁が腐食している。
などのケースです。
こうした建物は、修繕費用が高額になる可能性があるため、一般の買主が購入をためらう場合があります。
また、建物の状態によっては、金融機関の融資審査に影響することもあります。
建物に不具合がある場合の売却方法
売却方法としては、
修繕してから仲介で売却する。
不具合を説明したうえで現状売却する。
建物を解体して土地として売却する。
訳あり物件を取り扱う買取会社へ相談する。
などが考えられます。
ただし、必ずしも修繕した方が得になるとは限りません。
例えば、雨漏り修繕に200万円かかる一方で、修繕後の売却価格が100万円しか上がらない場合、費用を回収できない可能性があります。
また、建物を解体する場合には、解体費用だけでなく、再建築の可否も確認する必要があります。
なお、売主が把握している不具合については、買主へ適切に説明し、契約内容を整理することが重要です。
現状有姿で売却することと、契約不適合責任が当然に免除されることは別です。
訳あり物件は修繕してから売るべき?現状のまま売るべき?
ここまで10種類の訳あり物件を紹介しました。
共通しているのは、
問題を解決してから売却する方法と、問題を残したまま売却する方法の両方を検討できる場合がある
ということです。
例えば、次のようなケースを考えてみましょう。
訳あり物件の売却方法を比較
比較項目 修繕後に売却 現状のまま売却
売却価格 高くなる可能性 低くなる場合がある
事前費用 発生しやすい 抑えられる場合がある
売却期間 工事期間が必要 短縮できる可能性
注意点 工事費用を回収できるか 不具合の説明・契約条件
例えば、現状買取価格が1,500万円。
修繕費用が300万円。
修繕後の売却価格が1,700万円。
という場合、修繕によって売却価格は200万円上がりますが、修繕費用は300万円です。
この条件だけを比較すれば、現状のまま売却した方が手元に残る金額が多くなる可能性があります。
ただし、仲介手数料や税金、売却期間なども考慮する必要があります。
訳あり物件では、売却価格よりも最終的な手取りを重視することが大切です。
名古屋市で訳あり物件を売却するなら、まず確認したいこと
名古屋市内でも、土地や建物の状況は地域によって異なります。
千種区・東区・北区・西区。
中村区・中区・昭和区・瑞穂区。
熱田区・中川区・港区・南区。
守山区・緑区・名東区・天白区。
同じ名古屋市でも、道路状況や建物の築年数、土地利用の制限などはさまざまです。
特に古い住宅や店舗では、建築当時の資料が残っていない場合もあります。
そのため、売却前には次の点を整理しておくとよいでしょう。
- 土地・建物の登記情報
- 接道状況
- 建築確認・検査済証の有無
- 増築・改築の履歴
- 境界・越境の状況
- 私道の権利関係
- 建物の不具合
- 修繕・解体に必要な費用
資料がすべてそろっていなくても、売却相談を始めることはできます。
まずは現状を把握し、どのような売却方法が考えられるのかを確認しましょう。
前編まとめ|建物・土地に問題があっても売却を諦める必要はない
今回は、売却が難しい訳あり物件20種類のうち、建物・土地に問題がある10種類を紹介しました。
① 再建築不可物件
② 違法建築物件
③ 既存不適格建築物
④ 未登記建物
⑤ 増築部分が未登記の建物
⑥ 越境物件
⑦ 境界未確定の土地
⑧ 私道の通行・掘削承諾に問題がある土地
⑨ 擁壁に問題がある土地
⑩ 雨漏り・傾き・シロアリ被害のある建物
こうした不動産は、一般的な住宅や土地と比べて売却が難しくなる場合があります。
しかし、
「再建築できないから売れない」
「未登記だから売れない」
「越境しているから売れない」
「雨漏りがあるから売れない」
と一律に判断することはできません。
重要なのは、問題の内容を確認し、買主がどのように利用できる不動産なのかを整理することです。
また、売却前に多額の修繕費用や解体費用を支払う前に、現状のまま売却できる可能性を確認することも大切です。
他社で売却を断られた不動産でも、売却方法を見直すことで新たな可能性が見つかる場合があります。
後編では「権利関係・心理的問題がある訳あり物件10選」を解説
後編では、さらに売却が難しい次の10種類を詳しく解説します。
⑪ 共有者と連絡が取れない不動産
⑫ 共有持分だけの売却
⑬ 借地権付き建物
⑭ 底地
⑮ 相続登記が未了の不動産
⑯ 市街化調整区域内の土地・建物
⑰ 立退き交渉が必要な賃貸中物件
⑱ 孤独死・自殺・事件があった物件
⑲ ゴミ屋敷・大量の残置物がある物件
⑳ 土壌汚染・地中埋設物が疑われる土地
後編では、権利関係が複雑な不動産や、心理的・物理的な問題を抱える物件について、売却方法と注意点を詳しく紹介します。
名古屋の訳あり物件売却なら、名古屋仏縁不動産へ
名古屋仏縁不動産では、名古屋市を中心に愛知県全域で、事故物件・訳あり物件の売却相談に対応しています。
再建築不可物件。
違法建築・既存不適格建築物。
未登記建物。
越境物件。
境界未確定の土地。
私道に問題がある土地。
擁壁に問題がある不動産。
雨漏り・傾き・シロアリ被害のある建物。
こうした物件についても、状況に応じた売却方法を検討します。
司法書士や弁護士などの専門家との連携体制も整えており、権利関係が複雑な不動産についてもご相談いただけます。
修繕する前でも構いません。
解体する前でも構いません。
登記関係が整理されていなくても、まずはご相談ください。
名古屋で売却が難しい訳あり物件20選|再建築不可・違法建築・未登記建物・越境・借地権・底地・共有持分まで売却方法を徹底解説【2026年最新版】
【後編】権利関係・心理的問題がある訳あり物件10選|共有持分・借地権・底地・孤独死・ゴミ屋敷・土壌汚染まで徹底解説
「兄弟で相続した不動産を売りたいけれど、話し合いがまとまらない」
「共有者の一人と何年も連絡が取れていない」
「借地権付き建物を売却したいが、地主の承諾が得られない」
「底地を所有しているものの、借地人が購入してくれない」
「親が孤独死した住宅を相続したが、事故物件として売却できるのか不安」
「ゴミ屋敷や土壌汚染の疑いがある土地でも買い取ってもらえる?」
名古屋市で不動産を所有している方の中には、このような問題を抱えている方もいるのではないでしょうか。
前編では、再建築不可・違法建築・未登記建物・越境・境界未確定・私道・擁壁・雨漏りなど、建物や土地に問題がある訳あり物件10種類を紹介しました。
しかし、売却が難しい不動産は、建物や土地に問題があるものだけではありません。
建物に問題がなくても、権利関係や過去の事情によって売却が難しくなる場合があります。
例えば、土地の立地条件が良く、建物も十分に使用できる状態であっても、共有者の同意が得られなければ、不動産全体の売却を進められないことがあります。
また、借地権や底地のように、土地と建物の権利者が異なる不動産では、通常の所有権物件とは違った売却方法を検討する必要があります。
さらに、孤独死・自殺・事件などが発生した不動産では、買主への説明や心理的な影響を考慮する必要があります。
ただし、ここで知っておいていただきたいことがあります。
権利関係が複雑な不動産や、事故等の事情がある物件でも、売却できる可能性はあります。
重要なのは、問題の種類を正確に把握し、それぞれに適した売却方法を検討することです。
今回は、名古屋市を中心に事故物件・訳あり物件の売却相談に対応する名古屋仏縁不動産が、売却が難しい訳あり物件20選の後編として、権利関係・利用制限・心理的問題を抱える10種類の不動産を詳しく解説します。
11|共有者と連絡が取れない不動産|相続した共有名義の家は売却できる?
相続によって不動産を取得した場合、兄弟姉妹など複数人の共有名義になっていることがあります。
例えば、父親が亡くなり、子ども3人が実家を相続したケースです。
長男が3分の1。
次男が3分の1。
三男が3分の1。
このような共有状態では、不動産全体を売却する場合、原則として共有者全員の同意が必要になります。
しかし、実際には次のような問題が起こることがあります。
共有者の一人が遠方に住んでいる。
何十年も連絡を取っていない。
共有者の住所が分からない。
共有者が認知症になっている。
共有者の一人が亡くなり、さらに相続が発生している。
このような状況では、不動産全体の売却を進めることが難しくなる場合があります。
共有者と連絡が取れない場合の売却方法
まず重要なのは、共有者の状況を確認することです。
登記情報や戸籍関係書類などを確認し、必要に応じて専門家へ相談します。
また、共有者が所在不明の場合には、一定の要件のもとで、所在等不明共有者の持分取得制度や持分譲渡権限付与制度などを検討できる場合があります。
ただし、裁判所の関与や法定の要件が必要であり、誰でも簡単に利用できる制度ではありません。
共有者と連絡が取れないからといって、直ちに売却を諦める必要はありません。
12|共有持分だけの売却|他の共有者が反対していても売れる?
共有名義の不動産では、
「兄弟が売却に反対している」
「自分だけ共有関係から抜けたい」
「共有者との関係が悪化している」
というケースもあります。
例えば、兄弟3人で所有している住宅について、長男だけが売却を希望している場合です。
不動産全体を売却するには原則として共有者全員の同意が必要ですが、自分が所有する共有持分については、原則として他の共有者の同意なく譲渡できます。
つまり、
不動産全体を売れなくても、自分の共有持分だけを売却できる可能性があります。
ただし、共有持分だけを購入しても、買主が当然に不動産全体を自由に利用できるわけではありません。
そのため、共有持分の売却価格は、不動産全体の市場価格を持分割合で単純計算した金額より低くなる場合があります。
共有持分の売却方法
共有持分を売却する方法としては、
他の共有者に持分を買い取ってもらう。
共有持分を取り扱う買取会社へ相談する。
共有物分割について協議する。
必要に応じて弁護士へ相談する。
などが考えられます。
なお、共有物分割請求などの法的手続きでは、最終的に不動産の売却や代償金の支払いなどが問題になる場合があります。
共有持分は、通常の不動産売却とは異なる専門的な対応が必要になることがあります。
13|借地権付き建物|土地が自分のものではなくても売却できる?
借地権付き建物とは、他人の土地を借り、その土地の上に建物を所有している不動産を指します。
例えば、
土地の所有者は地主。
建物の所有者は借地人。
借地人が地主へ地代を支払っている。
という関係です。
借地権付き建物を相続した場合、
「土地が自分のものではないから売却できないのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、借地権付き建物でも、売却できる可能性があります。
ただし、借地権の種類や契約内容によって、売却時の手続きが異なります。
借地権付き建物の売却方法
一般的な借地権では、借地権の譲渡について地主の承諾が必要になる場合があります。
その際、譲渡承諾料などが問題になることもあります。
売却方法としては、
地主へ借地権付き建物の買取を相談する。
地主の承諾を得て第三者へ売却する。
借地権を取り扱う買取会社へ相談する。
などが考えられます。
また、一定の借地権については、地主の承諾が得られない場合に、裁判所の許可制度を利用できることがあります。
ただし、借地権の種類や契約内容、個別事情によって適用関係が異なります。
地主が承諾しないからといって、必ず売却できないわけではありません。
14|底地|借地人がいる土地は売却できる?
底地とは、一般的に借地権が設定されている土地について、地主側が所有する土地の権利を指します。
例えば、
土地の所有者は地主。
土地の上には借地人の建物がある。
地主は借地人から地代を受け取っている。
というケースです。
底地は、通常の更地とは異なり、地主が土地を自由に使用できるわけではありません。
そのため、一般の住宅用地と同じ価格で売却できるとは限りません。
底地の売却方法
底地の売却方法としては、
借地人へ底地の購入を提案する。
底地を取り扱う買取会社へ相談する。
借地人と協議し、借地権と底地を一体で売却する。
などが考えられます。
特に、借地人が底地を購入すれば、土地と建物の権利関係を整理できる場合があります。
ただし、借地人に購入義務があるわけではありません。
また、地代の金額、契約期間、更新条件、借地権の種類などによって底地の評価は異なります。
底地は、土地の面積や立地だけでなく、借地契約の内容が売却価格に大きく影響する不動産です。
15|相続登記が未了の不動産|亡くなった親の名義でも売却できる?
相続した不動産が、亡くなった親や祖父母の名義のままになっているケースがあります。
例えば、
30年前に祖父が亡くなった。
その後、父親が不動産を管理していた。
しかし、相続登記は行っていなかった。
さらに父親も亡くなった。
このような場合、相続関係が複雑になっている可能性があります。
また、2024年4月1日から相続登記が義務化されています。
原則として、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
施行前の相続についても対象となり、経過措置があります。
相続登記未了物件の売却方法
相続登記が済んでいない場合でも、不動産会社へ売却相談や査定を依頼することはできます。
ただし、買主へ所有権を移転する際には、通常、必要な相続登記を行うことになります。
そのため、
相続人の確認。
戸籍関係書類の取得。
遺言書の確認。
遺産分割協議。
相続登記。
などの手続きを整理する必要があります。
相続人が多い場合や、数世代にわたって相続登記が行われていない場合には、司法書士などの専門家への相談が有効です。
相続登記が済んでいないからといって、売却相談まで諦める必要はありません。
16|市街化調整区域内の土地・建物|建築制限があっても売却できる?
市街化調整区域とは、都市計画法に基づき、市街化を抑制する区域として定められた地域です。
市街化調整区域では、建築や開発行為について制限が設けられています。
そのため、一般的な市街化区域内の住宅地と同じように利用できるとは限りません。
例えば、
住宅を建て替えたい。
土地を分譲したい。
店舗を新築したい。
既存建物の用途を変更したい。
といった場合に、許可や適用条件の確認が必要になることがあります。
市街化調整区域の売却方法
まず確認したいのは、
既存建物の建築経緯。
開発許可や建築許可の有無。
現在の用途。
建て替えの可否。
用途変更の可否。
などです。
市街化調整区域だからといって、すべての建築行為が禁止されているわけではありません。
一定の要件を満たせば建築や用途変更が認められる場合もあります。
ただし、物件ごとに条件が異なるため、行政窓口などで確認する必要があります。
売却時には、買主が購入後にどのような利用をできるのかを明確にすることが重要です。
17|立退き交渉が必要な賃貸中物件|入居者がいても売却できる?
賃貸中の建物を相続した場合、
「入居者がいるから売却できない」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、賃貸中の不動産でも売却できる場合があります。
例えば、
入居者がいる戸建住宅。
古いアパート。
店舗が入居している建物。
長期間賃貸している事務所。
などです。
このような不動産は、賃貸借契約を引き継ぐことを前提として、収益物件として売却する方法が考えられます。
一方、買主が自分で使用したい場合には、入居者の退去が問題になることがあります。
立退きが必要な物件の売却方法
売却方法としては、
賃貸中のまま収益物件として売却する。
入居者と合意による退去について協議する。
退去後に空室として売却する。
などが考えられます。
ただし、普通建物賃貸借契約では、貸主からの解約申入れや更新拒絶に正当事由が必要となる場合があります。
また、立退料を支払えば必ず退去してもらえるわけではありません。
賃貸借契約の内容や借地借家法の適用関係を確認する必要があります。
入居者がいる不動産では、無理に立退きを進めるより、賃貸中のまま売却する方法が適している場合もあります。
18|孤独死・自殺・事件があった物件|事故物件でも売却できる?
事故物件・心理的瑕疵が問題になる不動産も、売却が難しい訳あり物件の一つです。
例えば、
一人暮らしの高齢者が自宅で孤独死した。
室内で自殺があった。
事件によって人が亡くなった。
長期間発見されず特殊清掃が必要になった。
などのケースです。
こうした事情は、買主の購入判断に影響する場合があります。
ただし、
人が亡くなった住宅が、すべて同じ取扱いになるわけではありません。
国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、自然死や日常生活の中で生じた不慮の事故による死亡について、原則として告知する必要はないと整理されています。
一方、特殊清掃等が行われた場合や、事件・自殺などについては、個別の事情を踏まえた対応が必要です。
また、売買取引について、事故等の発生から一律3年が経過すれば告知不要になるという基準はありません。
事故物件の売却方法
事故物件の売却方法としては、
事故等の事情を説明して仲介で売却する。
現状のまま買取を相談する。
特殊清掃後に売却する。
建物を解体して土地として売却する。
などが考えられます。
ただし、建物を解体したからといって、過去の事故等についての説明が当然に不要になるわけではありません。
また、特殊清掃や解体に費用をかけても、その分だけ売却価格が上がるとは限りません。
事故物件では、過去の事情を適切に整理し、現状のまま売却する方法も含めて比較することが重要です。
19|ゴミ屋敷・大量の残置物がある物件|片付けずに売却できる?
相続した住宅に大量の家財道具が残っているケースがあります。
例えば、
家具や家電が大量に残っている。
室内にゴミが積み上がっている。
長期間清掃されていない。
庭に大量の不用品がある。
物置や倉庫に残置物がある。
などです。
このような住宅では、
「全部片付けてからでないと売却できない」
と考える方も多いでしょう。
しかし、必ずしもそうではありません。
ゴミ屋敷や残置物がある住宅でも、現状のまま売却できる可能性があります。
ゴミ屋敷の売却方法
売却方法としては、
残置物を撤去してから仲介で売却する。
残置物を残した状態で買取を相談する。
建物を解体して土地として売却する。
などが考えられます。
ただし、残置物を残したまま売却する場合には、何を買主が引き受けるのか、所有権や処分費用をどう扱うのかを契約で明確にする必要があります。
また、相続人が複数いる場合には、遺品を勝手に処分することでトラブルになる可能性があります。
相続放棄を検討している場合にも、財産の処分について慎重な判断が必要です。
高額な遺品整理費用を支払う前に、現状のまま売却できるか確認することをおすすめします。
20|土壌汚染・地中埋設物が疑われる土地|問題があっても売却できる?
最後に紹介するのが、土壌汚染や地中埋設物が問題となる土地です。
例えば、
以前は工場として使用されていた土地。
ガソリンスタンド跡地。
古い建物の基礎が地中に残っている土地。
地中にコンクリートガラが埋まっている土地。
過去の土地利用が不明な土地。
などです。
こうした土地では、購入後に調査費用や撤去費用が発生する可能性があります。
また、土壌汚染対策法などの法令上の手続きが必要となる場合もあります。
土壌汚染・地中埋設物がある土地の売却方法
まず重要なのは、過去の土地利用や調査履歴を確認することです。
必要に応じて、
土壌汚染調査。
地中埋設物調査。
過去の土地利用履歴の確認。
撤去・対策費用の見積もり。
などを検討します。
ただし、すべての土地で売却前に全面的な調査を実施する必要があるわけではありません。
調査の必要性や範囲は、土地の履歴、法令上の義務、買主の利用目的などによって異なります。
また、汚染や埋設物が確認された場合でも、現状を踏まえた価格や契約条件で売却できる可能性があります。
問題の有無を曖昧にしたまま売却するのではなく、確認できている事実と未確認事項を整理することが重要です。
訳あり物件は「問題を解決してから売る」べき?
ここまで、売却が難しい訳あり物件20種類を紹介しました。
多くの方が悩むのが、
「問題をすべて解決してから売却するべきなのか?」
という点です。
例えば、
共有者との協議。
借地権の譲渡承諾。
相続登記。
建物の修繕。
特殊清掃。
残置物撤去。
土壌汚染調査。
こうした問題をすべて解決しようとすると、時間や費用がかかる場合があります。
もちろん、法令上必要な手続きや安全確保、買主への説明を省略してよいわけではありません。
しかし、売却前にすべての問題を解消しなければならないとも限りません。
例えば、買主が不具合の内容を理解したうえで、修繕費用を考慮した価格で購入する場合があります。
また、借地権や共有持分のように、権利関係そのものを投資対象として検討する買主もいます。
重要なのは、
「売却前に解決すべき問題」と「売却条件として整理できる問題」を区別することです。
名古屋で訳あり物件を売却する3つの方法
訳あり物件の売却方法は、大きく3つに分けて考えることができます。
① 問題を整理・改善してから仲介で売却する
建物の修繕や登記関係の整理などを行い、一般の買主へ売却する方法です。
条件が改善されれば、購入を検討する買主が増える可能性があります。
ただし、事前費用や売却期間が必要になる場合があります。
② 現状のまま仲介で売却する
不具合や権利関係を説明したうえで、現状のまま買主を探す方法です。
買主が事情を理解し、契約条件がまとまれば売却できる可能性があります。
ただし、問題の内容によっては買主が限られる場合があります。
③ 訳あり物件を取り扱う会社へ買取を相談する
訳あり物件を取り扱う買取会社へ直接売却する方法です。
現状のまま売却できる可能性があり、仲介による買主探しが不要になる場合があります。
一方、買取価格は一般的な仲介売却の想定価格より低くなることがあります。
また、買取であっても、法令上必要な手続きや契約上の責任がすべてなくなるわけではありません。
訳あり物件を売却するときに確認したい10項目
売却前には、次の項目を確認しておきましょう。
1. 不動産の登記名義は誰になっているか
2. 共有者や相続人は何人いるか
3. 土地の接道条件に問題はないか
4. 建物に違法建築や未登記部分はないか
5. 境界・越境・私道の問題はないか
6. 借地権や底地などの権利関係はないか
7. 雨漏り・傾き・シロアリなどの不具合はないか
8. 孤独死・事件・事故など説明が必要となる事情はないか
9. 修繕・解体・清掃などにいくら必要か
10. 現状のまま売却した場合の価格はいくらか
すべての資料がそろっていなくても、売却相談を始めることはできます。
ただし、把握している不具合や権利関係については、正確に伝えることが大切です。
名古屋市16区の訳あり物件売却にも対応
名古屋仏縁不動産では、名古屋市を中心に愛知県全域で訳あり物件の売却相談に対応しています。
名古屋市千種区・東区・北区・西区
名古屋市中村区・中区・昭和区・瑞穂区
名古屋市熱田区・中川区・港区・南区
名古屋市守山区・緑区・名東区・天白区
同じ名古屋市内でも、土地の需要や建物の利用方法は地域によって異なります。
例えば、古い住宅が多い地域では、再建築不可や未登記建物、境界未確定などの問題が見つかる場合があります。
また、店舗や事業用不動産では、借地権、底地、違法増築、用途制限、賃貸借契約などが問題になることがあります。
そのため、売却価格だけでなく、土地・建物・権利関係を総合的に確認することが重要です。
まとめ|売れないと諦める前に、訳あり物件の売却方法を見直す
今回は、売却が難しい訳あり物件20選の後編として、次の10種類を紹介しました。
⑪ 共有者と連絡が取れない不動産
⑫ 共有持分だけの売却
⑬ 借地権付き建物
⑭ 底地
⑮ 相続登記が未了の不動産
⑯ 市街化調整区域内の土地・建物
⑰ 立退き交渉が必要な賃貸中物件
⑱ 孤独死・自殺・事件があった物件
⑲ ゴミ屋敷・大量の残置物がある物件
⑳ 土壌汚染・地中埋設物が疑われる土地
前編で紹介した10種類と合わせると、売却が難しい訳あり物件にはさまざまな種類があることが分かります。
しかし、共通していることがあります。
それは、
「訳あり物件だから売れない」と決めつける必要はないということです。
共有者がいる。
借地権がある。
建物が未登記。
再建築できない。
雨漏りしている。
孤独死があった。
ゴミが大量に残っている。
こうした事情があっても、問題の内容を整理し、適切な売却方法を検討することで、買主が見つかる可能性があります。
一方で、売却前に高額な修繕費用や解体費用、特殊清掃費用を支払っても、その費用を売却価格で回収できるとは限りません。
だからこそ、
捨てる前に。
直す前に。
壊す前に。
まずは現状の価値を確認することが重要です。
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未登記建物。
越境物件。
境界未確定の土地。
私道に問題がある土地。
共有持分。
借地権・底地。
相続登記が未了の不動産。
孤独死・自殺・事件があった物件。
ゴミ屋敷。
土壌汚染・地中埋設物が疑われる土地。
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名古屋市を中心に愛知県全域対応
事故物件・訳あり物件・ゴミ屋敷・相続不動産・再建築不可・共有持分・借地権・底地の売却相談
「こんな状態でも売れるだろうか」という段階から、お気軽にご相談ください。
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【後編】権利関係・心理的問題がある訳あり物件10選|共有持分・借地権・底地・孤独死・ゴミ屋敷・土壌汚染まで徹底解説
「兄弟で相続した不動産を売りたいけれど、話し合いがまとまらない」
「共有者の一人と何年も連絡が取れていない」
「借地権付き建物を売却したいが、地主の承諾が得られない」
「底地を所有しているものの、借地人が購入してくれない」
「親が孤独死した住宅を相続したが、事故物件として売却できるのか不安」
「ゴミ屋敷や土壌汚染の疑いがある土地でも買い取ってもらえる?」
名古屋市で不動産を所有している方の中には、このような問題を抱えている方もいるのではないでしょうか。
前編では、再建築不可・違法建築・未登記建物・越境・境界未確定・私道・擁壁・雨漏りなど、建物や土地に問題がある訳あり物件10種類を紹介しました。
しかし、売却が難しい不動産は、建物や土地に問題があるものだけではありません。
建物に問題がなくても、権利関係や過去の事情によって売却が難しくなる場合があります。
例えば、土地の立地条件が良く、建物も十分に使用できる状態であっても、共有者の同意が得られなければ、不動産全体の売却を進められないことがあります。
また、借地権や底地のように、土地と建物の権利者が異なる不動産では、通常の所有権物件とは違った売却方法を検討する必要があります。
さらに、孤独死・自殺・事件などが発生した不動産では、買主への説明や心理的な影響を考慮する必要があります。
ただし、ここで知っておいていただきたいことがあります。
権利関係が複雑な不動産や、事故等の事情がある物件でも、売却できる可能性はあります。
重要なのは、問題の種類を正確に把握し、それぞれに適した売却方法を検討することです。
今回は、名古屋市を中心に事故物件・訳あり物件の売却相談に対応する名古屋仏縁不動産が、売却が難しい訳あり物件20選の後編として、権利関係・利用制限・心理的問題を抱える10種類の不動産を詳しく解説します。
11|共有者と連絡が取れない不動産|相続した共有名義の家は売却できる?
相続によって不動産を取得した場合、兄弟姉妹など複数人の共有名義になっていることがあります。
例えば、父親が亡くなり、子ども3人が実家を相続したケースです。
長男が3分の1。
次男が3分の1。
三男が3分の1。
このような共有状態では、不動産全体を売却する場合、原則として共有者全員の同意が必要になります。
しかし、実際には次のような問題が起こることがあります。
共有者の一人が遠方に住んでいる。
何十年も連絡を取っていない。
共有者の住所が分からない。
共有者が認知症になっている。
共有者の一人が亡くなり、さらに相続が発生している。
このような状況では、不動産全体の売却を進めることが難しくなる場合があります。
共有者と連絡が取れない場合の売却方法
まず重要なのは、共有者の状況を確認することです。
登記情報や戸籍関係書類などを確認し、必要に応じて専門家へ相談します。
また、共有者が所在不明の場合には、一定の要件のもとで、所在等不明共有者の持分取得制度や持分譲渡権限付与制度などを検討できる場合があります。
ただし、裁判所の関与や法定の要件が必要であり、誰でも簡単に利用できる制度ではありません。
共有者と連絡が取れないからといって、直ちに売却を諦める必要はありません。
12|共有持分だけの売却|他の共有者が反対していても売れる?
共有名義の不動産では、
「兄弟が売却に反対している」
「自分だけ共有関係から抜けたい」
「共有者との関係が悪化している」
というケースもあります。
例えば、兄弟3人で所有している住宅について、長男だけが売却を希望している場合です。
不動産全体を売却するには原則として共有者全員の同意が必要ですが、自分が所有する共有持分については、原則として他の共有者の同意なく譲渡できます。
つまり、
不動産全体を売れなくても、自分の共有持分だけを売却できる可能性があります。
ただし、共有持分だけを購入しても、買主が当然に不動産全体を自由に利用できるわけではありません。
そのため、共有持分の売却価格は、不動産全体の市場価格を持分割合で単純計算した金額より低くなる場合があります。
共有持分の売却方法
共有持分を売却する方法としては、
他の共有者に持分を買い取ってもらう。
共有持分を取り扱う買取会社へ相談する。
共有物分割について協議する。
必要に応じて弁護士へ相談する。
などが考えられます。
なお、共有物分割請求などの法的手続きでは、最終的に不動産の売却や代償金の支払いなどが問題になる場合があります。
共有持分は、通常の不動産売却とは異なる専門的な対応が必要になることがあります。
13|借地権付き建物|土地が自分のものではなくても売却できる?
借地権付き建物とは、他人の土地を借り、その土地の上に建物を所有している不動産を指します。
例えば、
土地の所有者は地主。
建物の所有者は借地人。
借地人が地主へ地代を支払っている。
という関係です。
借地権付き建物を相続した場合、
「土地が自分のものではないから売却できないのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、借地権付き建物でも、売却できる可能性があります。
ただし、借地権の種類や契約内容によって、売却時の手続きが異なります。
借地権付き建物の売却方法
一般的な借地権では、借地権の譲渡について地主の承諾が必要になる場合があります。
その際、譲渡承諾料などが問題になることもあります。
売却方法としては、
地主へ借地権付き建物の買取を相談する。
地主の承諾を得て第三者へ売却する。
借地権を取り扱う買取会社へ相談する。
などが考えられます。
また、一定の借地権については、地主の承諾が得られない場合に、裁判所の許可制度を利用できることがあります。
ただし、借地権の種類や契約内容、個別事情によって適用関係が異なります。
地主が承諾しないからといって、必ず売却できないわけではありません。
14|底地|借地人がいる土地は売却できる?
底地とは、一般的に借地権が設定されている土地について、地主側が所有する土地の権利を指します。
例えば、
土地の所有者は地主。
土地の上には借地人の建物がある。
地主は借地人から地代を受け取っている。
というケースです。
底地は、通常の更地とは異なり、地主が土地を自由に使用できるわけではありません。
そのため、一般の住宅用地と同じ価格で売却できるとは限りません。
底地の売却方法
底地の売却方法としては、
借地人へ底地の購入を提案する。
底地を取り扱う買取会社へ相談する。
借地人と協議し、借地権と底地を一体で売却する。
などが考えられます。
特に、借地人が底地を購入すれば、土地と建物の権利関係を整理できる場合があります。
ただし、借地人に購入義務があるわけではありません。
また、地代の金額、契約期間、更新条件、借地権の種類などによって底地の評価は異なります。
底地は、土地の面積や立地だけでなく、借地契約の内容が売却価格に大きく影響する不動産です。
15|相続登記が未了の不動産|亡くなった親の名義でも売却できる?
相続した不動産が、亡くなった親や祖父母の名義のままになっているケースがあります。
例えば、
30年前に祖父が亡くなった。
その後、父親が不動産を管理していた。
しかし、相続登記は行っていなかった。
さらに父親も亡くなった。
このような場合、相続関係が複雑になっている可能性があります。
また、2024年4月1日から相続登記が義務化されています。
原則として、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
施行前の相続についても対象となり、経過措置があります。
相続登記未了物件の売却方法
相続登記が済んでいない場合でも、不動産会社へ売却相談や査定を依頼することはできます。
ただし、買主へ所有権を移転する際には、通常、必要な相続登記を行うことになります。
そのため、
相続人の確認。
戸籍関係書類の取得。
遺言書の確認。
遺産分割協議。
相続登記。
などの手続きを整理する必要があります。
相続人が多い場合や、数世代にわたって相続登記が行われていない場合には、司法書士などの専門家への相談が有効です。
相続登記が済んでいないからといって、売却相談まで諦める必要はありません。
16|市街化調整区域内の土地・建物|建築制限があっても売却できる?
市街化調整区域とは、都市計画法に基づき、市街化を抑制する区域として定められた地域です。
市街化調整区域では、建築や開発行為について制限が設けられています。
そのため、一般的な市街化区域内の住宅地と同じように利用できるとは限りません。
例えば、
住宅を建て替えたい。
土地を分譲したい。
店舗を新築したい。
既存建物の用途を変更したい。
といった場合に、許可や適用条件の確認が必要になることがあります。
市街化調整区域の売却方法
まず確認したいのは、
既存建物の建築経緯。
開発許可や建築許可の有無。
現在の用途。
建て替えの可否。
用途変更の可否。
などです。
市街化調整区域だからといって、すべての建築行為が禁止されているわけではありません。
一定の要件を満たせば建築や用途変更が認められる場合もあります。
ただし、物件ごとに条件が異なるため、行政窓口などで確認する必要があります。
売却時には、買主が購入後にどのような利用をできるのかを明確にすることが重要です。
17|立退き交渉が必要な賃貸中物件|入居者がいても売却できる?
賃貸中の建物を相続した場合、
「入居者がいるから売却できない」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、賃貸中の不動産でも売却できる場合があります。
例えば、
入居者がいる戸建住宅。
古いアパート。
店舗が入居している建物。
長期間賃貸している事務所。
などです。
このような不動産は、賃貸借契約を引き継ぐことを前提として、収益物件として売却する方法が考えられます。
一方、買主が自分で使用したい場合には、入居者の退去が問題になることがあります。
立退きが必要な物件の売却方法
売却方法としては、
賃貸中のまま収益物件として売却する。
入居者と合意による退去について協議する。
退去後に空室として売却する。
などが考えられます。
ただし、普通建物賃貸借契約では、貸主からの解約申入れや更新拒絶に正当事由が必要となる場合があります。
また、立退料を支払えば必ず退去してもらえるわけではありません。
賃貸借契約の内容や借地借家法の適用関係を確認する必要があります。
入居者がいる不動産では、無理に立退きを進めるより、賃貸中のまま売却する方法が適している場合もあります。
18|孤独死・自殺・事件があった物件|事故物件でも売却できる?
事故物件・心理的瑕疵が問題になる不動産も、売却が難しい訳あり物件の一つです。
例えば、
一人暮らしの高齢者が自宅で孤独死した。
室内で自殺があった。
事件によって人が亡くなった。
長期間発見されず特殊清掃が必要になった。
などのケースです。
こうした事情は、買主の購入判断に影響する場合があります。
ただし、
人が亡くなった住宅が、すべて同じ取扱いになるわけではありません。
国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、自然死や日常生活の中で生じた不慮の事故による死亡について、原則として告知する必要はないと整理されています。
一方、特殊清掃等が行われた場合や、事件・自殺などについては、個別の事情を踏まえた対応が必要です。
また、売買取引について、事故等の発生から一律3年が経過すれば告知不要になるという基準はありません。
事故物件の売却方法
事故物件の売却方法としては、
事故等の事情を説明して仲介で売却する。
現状のまま買取を相談する。
特殊清掃後に売却する。
建物を解体して土地として売却する。
などが考えられます。
ただし、建物を解体したからといって、過去の事故等についての説明が当然に不要になるわけではありません。
また、特殊清掃や解体に費用をかけても、その分だけ売却価格が上がるとは限りません。
事故物件では、過去の事情を適切に整理し、現状のまま売却する方法も含めて比較することが重要です。
19|ゴミ屋敷・大量の残置物がある物件|片付けずに売却できる?
相続した住宅に大量の家財道具が残っているケースがあります。
例えば、
家具や家電が大量に残っている。
室内にゴミが積み上がっている。
長期間清掃されていない。
庭に大量の不用品がある。
物置や倉庫に残置物がある。
などです。
このような住宅では、
「全部片付けてからでないと売却できない」
と考える方も多いでしょう。
しかし、必ずしもそうではありません。
ゴミ屋敷や残置物がある住宅でも、現状のまま売却できる可能性があります。
ゴミ屋敷の売却方法
売却方法としては、
残置物を撤去してから仲介で売却する。
残置物を残した状態で買取を相談する。
建物を解体して土地として売却する。
などが考えられます。
ただし、残置物を残したまま売却する場合には、何を買主が引き受けるのか、所有権や処分費用をどう扱うのかを契約で明確にする必要があります。
また、相続人が複数いる場合には、遺品を勝手に処分することでトラブルになる可能性があります。
相続放棄を検討している場合にも、財産の処分について慎重な判断が必要です。
高額な遺品整理費用を支払う前に、現状のまま売却できるか確認することをおすすめします。
20|土壌汚染・地中埋設物が疑われる土地|問題があっても売却できる?
最後に紹介するのが、土壌汚染や地中埋設物が問題となる土地です。
例えば、
以前は工場として使用されていた土地。
ガソリンスタンド跡地。
古い建物の基礎が地中に残っている土地。
地中にコンクリートガラが埋まっている土地。
過去の土地利用が不明な土地。
などです。
こうした土地では、購入後に調査費用や撤去費用が発生する可能性があります。
また、土壌汚染対策法などの法令上の手続きが必要となる場合もあります。
土壌汚染・地中埋設物がある土地の売却方法
まず重要なのは、過去の土地利用や調査履歴を確認することです。
必要に応じて、
土壌汚染調査。
地中埋設物調査。
過去の土地利用履歴の確認。
撤去・対策費用の見積もり。
などを検討します。
ただし、すべての土地で売却前に全面的な調査を実施する必要があるわけではありません。
調査の必要性や範囲は、土地の履歴、法令上の義務、買主の利用目的などによって異なります。
また、汚染や埋設物が確認された場合でも、現状を踏まえた価格や契約条件で売却できる可能性があります。
問題の有無を曖昧にしたまま売却するのではなく、確認できている事実と未確認事項を整理することが重要です。
訳あり物件は「問題を解決してから売る」べき?
ここまで、売却が難しい訳あり物件20種類を紹介しました。
多くの方が悩むのが、
「問題をすべて解決してから売却するべきなのか?」
という点です。
例えば、
共有者との協議。
借地権の譲渡承諾。
相続登記。
建物の修繕。
特殊清掃。
残置物撤去。
土壌汚染調査。
こうした問題をすべて解決しようとすると、時間や費用がかかる場合があります。
もちろん、法令上必要な手続きや安全確保、買主への説明を省略してよいわけではありません。
しかし、売却前にすべての問題を解消しなければならないとも限りません。
例えば、買主が不具合の内容を理解したうえで、修繕費用を考慮した価格で購入する場合があります。
また、借地権や共有持分のように、権利関係そのものを投資対象として検討する買主もいます。
重要なのは、
「売却前に解決すべき問題」と「売却条件として整理できる問題」を区別することです。
名古屋で訳あり物件を売却する3つの方法
訳あり物件の売却方法は、大きく3つに分けて考えることができます。
① 問題を整理・改善してから仲介で売却する
建物の修繕や登記関係の整理などを行い、一般の買主へ売却する方法です。
条件が改善されれば、購入を検討する買主が増える可能性があります。
ただし、事前費用や売却期間が必要になる場合があります。
② 現状のまま仲介で売却する
不具合や権利関係を説明したうえで、現状のまま買主を探す方法です。
買主が事情を理解し、契約条件がまとまれば売却できる可能性があります。
ただし、問題の内容によっては買主が限られる場合があります。
③ 訳あり物件を取り扱う会社へ買取を相談する
訳あり物件を取り扱う買取会社へ直接売却する方法です。
現状のまま売却できる可能性があり、仲介による買主探しが不要になる場合があります。
一方、買取価格は一般的な仲介売却の想定価格より低くなることがあります。
また、買取であっても、法令上必要な手続きや契約上の責任がすべてなくなるわけではありません。
訳あり物件を売却するときに確認したい10項目
売却前には、次の項目を確認しておきましょう。
1. 不動産の登記名義は誰になっているか
2. 共有者や相続人は何人いるか
3. 土地の接道条件に問題はないか
4. 建物に違法建築や未登記部分はないか
5. 境界・越境・私道の問題はないか
6. 借地権や底地などの権利関係はないか
7. 雨漏り・傾き・シロアリなどの不具合はないか
8. 孤独死・事件・事故など説明が必要となる事情はないか
9. 修繕・解体・清掃などにいくら必要か
10. 現状のまま売却した場合の価格はいくらか
すべての資料がそろっていなくても、売却相談を始めることはできます。
ただし、把握している不具合や権利関係については、正確に伝えることが大切です。
名古屋市16区の訳あり物件売却にも対応
名古屋仏縁不動産では、名古屋市を中心に愛知県全域で訳あり物件の売却相談に対応しています。
名古屋市千種区・東区・北区・西区
名古屋市中村区・中区・昭和区・瑞穂区
名古屋市熱田区・中川区・港区・南区
名古屋市守山区・緑区・名東区・天白区
同じ名古屋市内でも、土地の需要や建物の利用方法は地域によって異なります。
例えば、古い住宅が多い地域では、再建築不可や未登記建物、境界未確定などの問題が見つかる場合があります。
また、店舗や事業用不動産では、借地権、底地、違法増築、用途制限、賃貸借契約などが問題になることがあります。
そのため、売却価格だけでなく、土地・建物・権利関係を総合的に確認することが重要です。
まとめ|売れないと諦める前に、訳あり物件の売却方法を見直す
今回は、売却が難しい訳あり物件20選の後編として、次の10種類を紹介しました。
⑪ 共有者と連絡が取れない不動産
⑫ 共有持分だけの売却
⑬ 借地権付き建物
⑭ 底地
⑮ 相続登記が未了の不動産
⑯ 市街化調整区域内の土地・建物
⑰ 立退き交渉が必要な賃貸中物件
⑱ 孤独死・自殺・事件があった物件
⑲ ゴミ屋敷・大量の残置物がある物件
⑳ 土壌汚染・地中埋設物が疑われる土地
前編で紹介した10種類と合わせると、売却が難しい訳あり物件にはさまざまな種類があることが分かります。
しかし、共通していることがあります。
それは、
「訳あり物件だから売れない」と決めつける必要はないということです。
共有者がいる。
借地権がある。
建物が未登記。
再建築できない。
雨漏りしている。
孤独死があった。
ゴミが大量に残っている。
こうした事情があっても、問題の内容を整理し、適切な売却方法を検討することで、買主が見つかる可能性があります。
一方で、売却前に高額な修繕費用や解体費用、特殊清掃費用を支払っても、その費用を売却価格で回収できるとは限りません。
だからこそ、
捨てる前に。
直す前に。
壊す前に。
まずは現状の価値を確認することが重要です。
他社で売却を断られた不動産でも、売却方法を見直すことで新たな可能性が見つかる場合があります。
名古屋の訳あり物件・事故物件の売却なら、名古屋仏縁不動産へ
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再建築不可物件。
違法建築・既存不適格建築物。
未登記建物。
越境物件。
境界未確定の土地。
私道に問題がある土地。
共有持分。
借地権・底地。
相続登記が未了の不動産。
孤独死・自殺・事件があった物件。
ゴミ屋敷。
土壌汚染・地中埋設物が疑われる土地。
こうした不動産についても、状況に応じた売却方法を検討します。
また、司法書士や弁護士などの専門家との連携体制も整えており、相続登記や権利関係が複雑な不動産についてもご相談いただけます。
修繕する前でも構いません。
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