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2026.10.09

名古屋で相続した事故物件・訳あり物件を売却すると税金はいくら?譲渡所得税・相続税・空き家3,000万円控除・売却費用を徹底解説【2026年最新版】|名古屋仏縁不動産(運営:(株)愛知不動産売却センター)

【前編】相続した事故物件・訳あり物件の売却でかかる税金とは?譲渡所得税の計算方法・取得費・売却費用を徹底解説
「親が亡くなり、名古屋市内の実家を相続した」
「孤独死があった住宅を売却したいけれど、税金はいくらかかるのだろうか?」
「事故物件を安く売却しても、税金が発生することはある?」
「相続した家の購入価格が分からない場合、どう計算するの?」
「空き家を売却すると3,000万円まで税金がかからないと聞いたけれど、本当?」
名古屋市で事故物件・訳あり物件を相続した方の中には、このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
不動産を売却するとき、多くの方が最初に気にするのは売却価格です。
しかし、実際には売却価格だけでなく、売却後に発生する税金や諸費用まで考える必要があります。
例えば、相続した家を2,000万円で売却できたとしても、その2,000万円がすべて手元に残るとは限りません。
仲介手数料。
測量費用。
建物の解体費用。
登記関係費用。
譲渡所得税。
住民税。
こうした費用や税金が関係する可能性があります。
さらに、相続した不動産の場合には、親がいつ、いくらで購入したのかによって、売却時の税金が大きく変わることがあります。
一方で、一定の条件を満たせば、税負担を軽減できる特例を利用できる可能性もあります。
特に知っておきたいのが、相続した空き家の3,000万円特別控除です。
ただし、相続した空き家なら何でも適用されるわけではありません。
建物の建築時期、被相続人の居住状況、売却価格、売却期限など、さまざまな要件があります。
今回は、名古屋市を中心に事故物件・訳あり物件の売却を取り扱う名古屋仏縁不動産が、相続不動産の売却に関係する税金と費用について詳しく解説します。
前編では、次の4つを中心に説明します。
① 相続税と譲渡所得税の違い
② 譲渡所得税の計算方法と税率
③ 親の取得費が分からない場合の注意点
④ 売却時に発生する諸費用と最終手取り
事故物件・訳あり物件だからこそ、売却前に知っておきたいポイントを整理していきましょう。

事故物件・訳あり物件でも売却時の税金はかかる?
まず知っておきたいのが、
事故物件だから税金が免除されるわけではない
ということです。
例えば、
孤独死があった住宅。
事件や事故が発生した家。
ゴミ屋敷。
再建築不可物件。
老朽化した空き家。
共有持分。
借地権付き建物。
こうした不動産でも、売却によって課税対象となる譲渡所得が発生すれば、原則として税金がかかります。
反対に、売却価格が高くても、取得費や譲渡費用などを差し引いた結果、課税対象となる譲渡所得がなければ、譲渡所得に対する税金が発生しない場合もあります。
つまり、
「いくらで売ったか」だけでは、税金は決まりません。
重要なのは、
売却価格から何を差し引けるのか。
そして、
利用できる特例があるのか。
という点です。

ポイント1|相続税と譲渡所得税は何が違う?
相続した不動産を売却する際、最初に混同しやすいのが「相続税」と「譲渡所得税」です。
この2つは、課税される場面が異なります。
相続税とは?
相続税は、亡くなった方から財産を相続した場合に、その相続財産などを基に計算される税金です。
対象となる財産には、
現金。
預貯金。
株式。
土地。
建物。
その他の財産。
などがあります。
ただし、相続した人すべてに相続税が発生するわけではありません。
相続税には基礎控除があります。
計算式は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
です。
例えば、法定相続人が3人の場合、
3,000万円+600万円×3人
=4,800万円。
この4,800万円が基礎控除額となります。
実際の相続税は、相続財産の評価額、債務、各種控除、特例などを踏まえて計算されます。
そのため、相続財産の総額が基礎控除額以下であれば、原則として相続税は発生しません。
ただし、特例の適用によって申告が必要になる場合などもあります。

譲渡所得税とは?
一方、譲渡所得税は、不動産を売却して生じた譲渡所得に対して課税される所得税などを指します。
例えば、
親が所有していた住宅を相続した。
その住宅を2,000万円で売却した。
この場合、売却によって利益が生じていれば、譲渡所得に対する税金が発生する可能性があります。
ここで重要なのが、
相続税を払っていない人でも、売却時に譲渡所得税がかかる場合がある
ということです。
逆に、相続税を納めた場合でも、売却時の譲渡所得税が必ず発生するわけではありません。
相続税と譲渡所得税は別の仕組みだからです。

相続税と譲渡所得税の違いを整理
比較項目 相続税 譲渡所得に対する税金
課税される場面 財産を相続したとき 不動産を売却して譲渡所得が生じたとき
計算の基礎 相続財産などの評価額 売却価格・取得費・譲渡費用など
基礎控除 法定相続人の数に応じた控除 相続税と同じ基礎控除はない
主な特例 小規模宅地等の特例など 相続空き家の3,000万円特別控除など
つまり、相続した事故物件を売却するときには、
相続時の税金と、売却時の税金を分けて考える必要があります。

ポイント2|譲渡所得税の計算方法と税率を知る
相続した不動産を売却するとき、特に重要なのが譲渡所得の計算方法です。
基本的な計算式は、次のとおりです。
不動産の譲渡所得の基本計算
\[
\text{譲渡所得}=\text{譲渡収入金額}-\text{取得費}-\text{譲渡費用}
\]


さらに、適用要件を満たす特別控除がある場合には、その控除額を差し引いて課税譲渡所得を計算します。

例えば、次のようなケースを考えてみましょう。
相続した住宅を2,500万円で売却。
親が購入した際の取得費は1,200万円。
売却に直接かかった譲渡費用は100万円。
この場合、
2,500万円-1,200万円-100万円
=1,200万円。
この1,200万円が、特別控除などを考慮する前の譲渡所得となります。
ただし、建物については所有期間に応じた減価償却費相当額を取得費から差し引く必要があるため、実際の計算は単純な購入価格の差引きとは異なる場合があります。

所有期間によって税率が変わる
不動産の譲渡所得に対する税率は、所有期間によって異なります。
原則として、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得となります。
不動産譲渡所得の税率
長期譲渡所得
20.315%
所得税・復興特別所得税・住民税の合計

短期譲渡所得
39.63%
所得税・復興特別所得税・住民税の合計


一般的な土地・建物の譲渡所得に適用される税率。一定の特例が適用される場合は異なります。
同じ1,000万円の課税譲渡所得でも、長期と短期では税負担に大きな差が生じます。

相続したばかりの家は短期譲渡所得になる?
ここは非常に重要です。
例えば、
父親が30年前に購入した住宅。
2026年に父親が亡くなった。
子どもが相続した。
その年に売却した。
この場合、
「相続してから1年も経っていないから短期譲渡所得では?」
と思うかもしれません。
しかし、相続によって取得した不動産は、原則として亡くなった方の取得時期を引き継ぎます。
したがって、父親が30年前に取得した不動産であれば、通常はその所有期間を引き継いで判断します。
相続してすぐ売却したからといって、必ず短期譲渡所得になるわけではありません。
この点を知らずに税金を計算すると、売却後の手取りを大きく見誤る可能性があります。

ポイント3|親の取得費が分からない場合はどうする?
相続した不動産の売却で、特に注意したいのが「取得費」です。
取得費とは、簡単に言えば、その不動産を取得するためにかかった費用のことです。
例えば、
土地の購入代金。
建物の購入代金。
購入時の仲介手数料。
一定の登記費用。
建築費用。
一定の設備費・改良費。
などが関係します。
相続した不動産の場合、原則として亡くなった方の取得費を引き継ぎます。

国税庁
+1



しかし、ここで問題になるのが、
「親がいくらで買ったのか分からない」
というケースです。

30年前・40年前の売買契約書が見つからない
例えば、名古屋市内の実家。
父親が40年前に購入。
父親が亡くなり、子どもが相続。
実家を2,000万円で売却することになった。
しかし、購入時の売買契約書が見つからない。
このようなケースは十分に考えられます。
親が購入した不動産であれば、子どもが購入金額を知らなくても不思議ではありません。
さらに、祖父母の代から所有していた不動産であれば、取得費の確認が一層難しくなることもあります。

取得費が不明なら売却価格の5%で計算できる
取得費が分からない場合などには、売却価格の5%相当額を概算取得費として計算できる制度があります。
例えば、
売却価格2,000万円。
取得費不明。
この場合、
2,000万円×5%=100万円。
取得費を100万円として計算することができます。

国税庁



ただし、ここで注意が必要です。
取得費を5%で計算すると、課税対象となる利益が大きくなる場合があります。

取得費が分かる場合と分からない場合を比較
例えば、相続した不動産を2,000万円で売却したとします。
売却にかかった譲渡費用は100万円。
特別控除は適用しないものとします。
取得費による譲渡所得の違い
比較項目 取得費が判明 5%で計算
売却価格 2,000万円 2,000万円
取得費 1,200万円 100万円
譲渡費用 100万円 100万円
譲渡所得 700万円 1,800万円
※1,200万円は減価償却等を反映した取得費と仮定した比較例です。
長期譲渡所得として一般的な税率20.315%を適用すると、税額の概算は次のようになります。
取得費1,200万円の場合
約142万円


取得費100万円の場合
約366万円



同じ2,000万円で売却しても、取得費の違いによって、税額に約224万円の差が生じる計算です。
もちろん、これは特例などを考慮しない仮のシミュレーションです。
しかし、
取得費を確認することが、どれほど重要なのか
が分かるのではないでしょうか。

売買契約書がない場合に探したい資料
親の購入価格が分からない場合でも、すぐに取得費5%で確定させるのではなく、資料を確認してみましょう。
例えば、
- 購入時の売買契約書・領収書
- 購入当時の重要事項説明書
- 建築工事の請負契約書
- 購入代金の支払記録や通帳
- 住宅ローン関係書類
- 購入時の仲介会社に残る資料
- その他、取得時の金額を裏付けられる資料
などです。
取得費をどこまで立証できるかは、資料の内容や個別事情によって異なります。
資料が見つからないからといって、すぐに5%しか認められないと決めつけず、税理士へ確認することをおすすめします。

ポイント4|事故物件・訳あり物件の売却費用は何が必要?
不動産を売却するときには、税金以外にもさまざまな費用が発生する可能性があります。
特に事故物件・訳あり物件では、
特殊清掃。
遺品整理。
残置物撤去。
建物解体。
測量。
相続登記。
などが関係する場合があります。
しかし、ここで注意したいのが、
売却のために支払った費用が、すべて税金計算上の譲渡費用になるわけではない
ということです。
国税庁では、譲渡費用を土地や建物を売るために直接かかった費用として整理しています。

国税庁




仲介手数料
不動産会社の仲介によって売却した場合、仲介手数料が発生することがあります。
例えば、売却価格2,000万円の場合、一般的な仲介手数料の上限計算は、
2,000万円×3%+6万円+消費税
=72万6,000円。
となります。
これは一定の価格帯で用いられる速算式による上限額であり、実際の報酬額は契約条件によって異なります。
なお、不動産会社が直接買主となる買取では、仲介を介さない取引であれば通常、仲介手数料は発生しません。
ただし、買取業者との間に別の仲介会社が入る場合などは、仲介手数料が発生することがあります。

売買契約書の印紙税
紙の不動産売買契約書を作成する場合には、契約金額に応じて印紙税が必要になることがあります。
印紙税額は契約金額や軽減措置の適用状況などによって異なります。
電子契約の場合は、紙の課税文書を作成しないため、一般にその電子契約データ自体には印紙税が課されません。

測量費用
土地を売却する際、境界を明確にするために測量が必要になることがあります。
特に、
古い住宅地。
境界標が見当たらない土地。
隣地との境界が不明確な土地。
相続してから長期間放置していた土地。
などでは確認が必要です。
売却のために直接必要となった測量費用は、譲渡費用に該当する場合があります。

国税庁



ただし、測量費用を誰が負担するかは売買条件によって異なります。

建物解体費用
老朽化した住宅や事故物件を解体して売却する場合、解体費用が発生します。
土地を売るために建物を取り壊した場合には、一定の要件のもとで解体費用や建物の損失額が譲渡費用となる場合があります。

国税庁



しかし、
解体費用を税金計算上差し引けるからといって、解体した方が得になるわけではありません。
例えば、解体費用が250万円かかり、売却価格が100万円しか上がらない場合、税負担の軽減だけで費用差を回収できるとは限りません。
解体する前に、
現状売却価格。
更地にした場合の価格。
解体費用。
再建築の可否。
税負担。
を比較することが大切です。

特殊清掃・遺品整理・残置物撤去費用
事故物件・訳あり物件では、これらの費用が問題になることがあります。
しかし、特殊清掃や遺品整理に支払った金額が、必ず譲渡費用として認められるわけではありません。
例えば、
相続人が生活用品を整理するための費用。
通常の維持管理のための清掃費用。
売却と直接関係しない修繕費用。
などは、譲渡費用として認められない可能性があります。
一方、売却条件との関係で直接必要となった支出については、個別の事実関係に基づく検討が必要です。
「売却前に支払ったから経費になる」という判断は避けましょう。
領収書や契約書、作業内容が分かる資料を保管し、税理士へ確認することが大切です。

相続登記費用
相続した不動産を売却する場合、相続登記が必要になります。
相続登記では、
登録免許税。
司法書士報酬。
必要書類の取得費用。
などが発生する場合があります。
なお、一定の相続登記費用は、要件を満たせば譲渡所得の計算上、取得費に含められる場合があります。
ただし、概算取得費5%を採用する場合には、相続時の登記費用などを重ねて取得費に加算することはできません。

国税庁



このように、同じ登記関係費用でも、税務上の取扱いは内容によって異なります。

事故物件を安く売ったのに税金が高いことはある?
ここで気になるのが、
「事故物件だから相場より安く売ったのに、税金が高くなることはあるのか?」
という疑問です。
結論として、その可能性はあります。
例えば、
通常なら3,000万円程度で売れる住宅。
事故等の事情があり、2,000万円で売却。
しかし、親の取得費が不明。
概算取得費5%で計算。
というケースです。
売却価格は通常の相場より低かったとしても、税務上の取得費が少なければ、譲渡所得が大きく計算される場合があります。
つまり、
事故物件として安く売ったことと、税金が安くなることは別です。
だからこそ、売却価格を検討する段階から、税金まで含めた最終手取りを確認することが重要です。

名古屋市で相続した事故物件を売却するときの注意点
名古屋市内でも、相続不動産の状況はさまざまです。
千種区・東区・北区・西区。
中村区・中区・昭和区・瑞穂区。
熱田区・中川区・港区・南区。
守山区・緑区・名東区・天白区。
同じ名古屋市でも、土地価格や住宅需要は地域によって異なります。
また、事故物件・訳あり物件では、
孤独死があった住宅。
大量の残置物がある家。
再建築不可物件。
共有持分。
借地権・底地。
相続登記が済んでいない不動産。
など、売却の障害となる事情が異なります。
そのため、まず不動産の売却可能価格を確認し、その後に税金や諸費用を試算することが大切です。
売却価格が決まってから初めて税金を調べるのではなく、売却前から手取りを意識しておきましょう。

前編まとめ|相続した事故物件は「売却価格」と「税金」をセットで考える
今回は、名古屋市で相続した事故物件・訳あり物件を売却する際に知っておきたい税金と費用について解説しました。
特に重要なのは、次の4つです。
① 相続税と譲渡所得税は別の税金
相続時に相続税が発生しなくても、売却時に譲渡所得税が発生する可能性があります。
② 相続した不動産の所有期間は原則として親の取得時期を引き継ぐ
相続してすぐ売却しても、必ず短期譲渡所得になるわけではありません。
③ 親の取得費が分からない場合は注意が必要
概算取得費5%で計算すると、税負担が大きくなる可能性があります。
④ 売却費用のすべてが譲渡費用になるわけではない
特殊清掃、遺品整理、解体、測量などは、支出の目的や内容によって税務上の取扱いが異なります。
事故物件・訳あり物件を売却するときには、
「いくらで売れるか」
だけでなく、
「税金と費用を差し引いて、いくら手元に残るか」
まで確認することが大切です。

後編では「税金を抑えるための3つのポイント」を徹底解説
後編では、さらに重要な次の3項目を解説します。
⑤ 相続空き家の3,000万円特別控除
孤独死があった住宅でも適用できる可能性はあるのか。建築時期や売却期限、相続人の人数による違いを詳しく解説します。
⑥ 相続税の取得費加算の特例
相続税を納めた方が不動産を売却する際に、税負担を軽減できる可能性がある制度を解説します。
⑦ 事故物件・訳あり物件ならではの税務上の注意点
再建築不可、共有持分、借地権・底地、特殊清掃費用などを踏まえ、売却前に確認したいポイントを整理します。
さらに、売却価格別の税額シミュレーションと、売却前のチェックリストも紹介します。

名古屋の事故物件・訳あり物件の相続売却なら、名古屋仏縁不動産へ
名古屋仏縁不動産では、名古屋市を中心に愛知県全域で、事故物件・訳あり物件の売却相談に対応しています。
孤独死があった住宅。
相続した空き家。
大量の遺品が残っている家。
ゴミ屋敷。
再建築不可物件。
共有持分。
借地権・底地。
老朽化した住宅。
他社で売却を断られた不動産。
こうした不動産について、現状のまま売却できる可能性も含めて検討します。
相続登記については司法書士との連携によるサポートも行い、税金については必要に応じて税理士などの専門家への確認をおすすめしています。
相続登記が済んでいなくても、まずは売却相談から始められます。
遺品整理や特殊清掃をする前でも構いません。
事故物件・訳あり物件だからという理由だけで、売却を諦める必要はありません。
名古屋で相続した事故物件・訳あり物件を売却すると税金はいくら?譲渡所得税・相続税・空き家3,000万円控除・売却費用を徹底解説【2026年最新版】
【後編】相続した事故物件の税金を抑える方法とは?空き家3,000万円特別控除・取得費加算・売却価格別シミュレーションを徹底解説
「相続した事故物件を売却すると、税金が高くなるのではないか?」
「孤独死があった家でも、空き家の3,000万円特別控除は使える?」
「相続税を支払った後に不動産を売却すると、税金が二重にかかるの?」
「事故物件を安く売却した場合、税金も安くなる?」
「相続した実家を売るなら、いつまでに売却した方がよい?」
名古屋市で事故物件・訳あり物件を相続した方にとって、売却価格と同じくらい重要なのが税金です。
前編では、相続税と譲渡所得税の違い、取得費の計算方法、所有期間による税率の違い、売却時に発生する諸費用について解説しました。
後編では、さらに踏み込んで、相続した事故物件・訳あり物件の税負担を軽減できる可能性がある制度を取り上げます。
特に重要なのが、次の3つです。
⑤ 相続空き家の3,000万円特別控除
⑥ 相続税の取得費加算の特例
⑦ 事故物件・訳あり物件ならではの税務上の注意点
また、売却価格別の税額シミュレーションや、売却前に確認したいチェックリストも紹介します。
最初に知っておいていただきたいことがあります。
事故物件・訳あり物件だからといって、税金の特例が一律に使えなくなるわけではありません。
ただし、相続した住宅なら必ず特例が使えるというわけでもありません。
重要なのは、物件の状態だけでなく、相続の状況、建築時期、売却期限、取得費などを正確に確認することです。

ポイント5|相続空き家の3,000万円特別控除を確認する
相続した住宅を売却する際、ぜひ確認しておきたい制度が、
「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
です。
一定の要件を満たす場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。
例えば、相続した実家を売却して譲渡所得が2,000万円発生したとします。
通常であれば、その譲渡所得に対して税金がかかる可能性があります。
しかし、空き家の3,000万円特別控除の適用要件を満たせば、譲渡所得2,000万円から特別控除を差し引くことができます。
その結果、課税譲渡所得がゼロになる可能性があります。
ただし、これは売却価格から3,000万円を差し引く制度ではありません。
あくまで、取得費や譲渡費用などを差し引いて計算した譲渡所得に対する特別控除です。

空き家の3,000万円特別控除には条件がある
この制度は、相続したすべての住宅に適用されるわけではありません。
代表的な要件として、次のようなものがあります。
- 原則として、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
- 区分所有建物登記がされている建物ではないこと
- 相続開始直前に、原則として被相続人が一人で居住していたこと
- 相続後、所定の用途に使用されていないこと
- 一定の耐震基準や取壊し等に関する要件を満たすこと
- 売却代金が1億円以下であること
- 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
- 適用対象期間内の譲渡であること
なお、老人ホーム等へ入所していた場合にも、一定の要件を満たせば対象となることがあります。
また、令和6年1月1日以降の譲渡については、一定の条件のもとで、買主が譲渡翌年の2月15日までに耐震改修または取壊しを行う場合にも適用できる仕組みがあります。
適用できるかどうかは、建物の築年数だけで判断できません。

相続人が3人以上の場合は控除額に注意
空き家の3,000万円特別控除には、相続人の人数による注意点があります。
令和6年1月1日以降の譲渡では、対象となる被相続人居住用家屋や敷地等を取得した相続人が3人以上いる場合、特別控除額の上限は原則として1人当たり2,000万円となります。
つまり、
「相続人が何人いても、全員が必ず3,000万円控除を受けられる」
というわけではありません。
共有名義の相続不動産を売却する場合には、特に注意が必要です。

孤独死があった事故物件でも3,000万円控除は使える?
ここは、名古屋仏縁不動産へ相談される方にも知っていただきたいポイントです。
例えば、
名古屋市内の古い戸建住宅。
一人暮らしの父親が自宅で亡くなった。
発見までに時間がかかった。
特殊清掃が必要になった。
その後、子どもが住宅を相続した。
このようなケースです。
「孤独死があったから事故物件になってしまった。税金の特例も使えないのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、
孤独死があったという事実だけで、空き家の3,000万円特別控除の対象から自動的に除外されるわけではありません。
重要なのは、制度で定められた要件を満たしているかどうかです。
例えば、
建築時期。
被相続人の居住状況。
相続後の使用状況。
売却期限。
売却価格。
耐震基準や取壊しの条件。
などを確認する必要があります。
したがって、孤独死があった住宅でも、最初から特例の利用を諦める必要はありません。

事故物件を解体して売却する場合は?
古い住宅を相続した場合、
「建物を解体して更地にした方が売れるのでは?」
と考えることがあります。
しかし、解体には費用がかかります。
さらに、空き家の3,000万円特別控除を利用する場合には、解体の時期や売却方法、相続後の土地の利用状況などにも注意が必要です。
例えば、解体後に土地を駐車場として貸し出した場合、特例の適用に影響する可能性があります。
また、令和6年以降の一定の譲渡では、買主による期限内の取壊し等で要件を満たせる場合もあります。
そのため、
「先に解体してから考える」
のではなく、
「特例の適用条件を確認してから解体するか判断する」
という順番が重要です。

空き家の3,000万円控除を使うと税金はいくら変わる?
具体例で考えてみましょう。
相続した住宅を3,000万円で売却。
取得費は500万円。
譲渡費用は150万円。
所有期間は長期譲渡所得に該当。
この場合、
3,000万円-500万円-150万円
=2,350万円。
特別控除がなければ、譲渡所得は2,350万円です。
一般的な長期譲渡所得の税率20.315%を適用すると、税額の概算は約477万円になります。
一方、空き家の3,000万円特別控除が全額適用できる場合には、
2,350万円-2,350万円
=0円。
課税譲渡所得はゼロになります。
特例の有無による税額比較
特例なし
約477万円
譲渡所得税・住民税等の概算

特例あり
0円
全額控除できた場合


取得費は減価償却等を反映済みと仮定。端数処理等を省略した説明用の概算です。
このように、特例の適用によって税負担が大きく変わる可能性があります。
ただし、適用には確定申告や必要書類の提出が求められます。
税金がゼロになる見込みでも、特例を受けるための確定申告を忘れないようにしましょう。

ポイント6|相続税を払った人は「取得費加算の特例」も確認する
相続した不動産を売却する場合、もう一つ知っておきたい制度があります。
それが、
「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
いわゆる相続税の取得費加算の特例です。
これは、一定の要件を満たす場合に、納付した相続税のうち一定額を、不動産の取得費に加算できる制度です。
取得費が増えることで、課税対象となる譲渡所得が少なくなる可能性があります。

取得費加算の特例は誰でも使える?
この特例は、相続した人すべてが利用できるわけではありません。
代表的な要件として、
相続や遺贈によって財産を取得していること。
その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。
などがあります。
一般的には、相続開始から約3年10か月以内の売却が目安となりますが、具体的な期限は個別に確認する必要があります。
また、取得費に加算できる金額は、相続税の納税額全額とは限りません。
相続税額や譲渡した財産の評価額などに基づいて計算します。

取得費加算によって税金が変わる例
例えば、次のようなケースです。
相続した不動産を3,000万円で売却。
取得費は800万円。
譲渡費用は100万円。
通常の譲渡所得は、
3,000万円-800万円-100万円
=2,100万円。
ここで、取得費加算の特例によって500万円を加算できると仮定します。
すると、
2,100万円-500万円
=1,600万円。
課税対象となる譲渡所得が500万円少なくなります。
長期譲渡所得の一般的な税率20.315%で計算すると、税負担は概算で約102万円軽減されることになります。
もちろん、実際に加算できる金額は、相続税額や財産の評価額などによって異なります。
相続税を納めている場合には、売却前に取得費加算の特例を確認しておくことが重要です。

空き家3,000万円控除と取得費加算は併用できる?
ここも重要な注意点です。
同じ不動産の譲渡について、相続空き家の3,000万円特別控除と相続税の取得費加算の特例は、原則として併用できません。
そのため、両方の要件に該当する可能性がある場合には、どちらを適用した方が有利なのかを比較する必要があります。
例えば、
空き家の3,000万円特別控除を利用した方が税額を抑えられる場合。
取得費加算の特例を利用した方が有利になる場合。
どちらも考えられます。
また、ほかの特例との適用関係も確認が必要です。
「使える特例は全部使えばよい」というわけではありません。
売却前に税理士などの専門家へ確認することをおすすめします。

ポイント7|事故物件・訳あり物件ならではの税務上の注意点
通常の住宅と異なり、事故物件・訳あり物件では、売却前にさまざまな費用が発生する場合があります。
特に注意したいのが、次のようなケースです。
① 特殊清掃費用を支払った場合
孤独死があった住宅で、特殊清掃費用が100万円かかったとします。
この100万円が、そのまま譲渡所得の計算上の譲渡費用になるとは限りません。
特殊清掃を行った目的や売却との直接的な関係などによって、税務上の取扱いを検討する必要があります。
領収書だけでなく、作業内容や契約書なども保管しておくとよいでしょう。

② ゴミ屋敷の残置物を撤去した場合
大量の家財道具が残っている住宅を相続したケース。
残置物撤去に150万円かかったとします。
この費用も、支払ったという理由だけで全額が譲渡費用になるわけではありません。
また、現状のまま買取してもらえるのであれば、そもそも撤去費用を負担せずに売却できる可能性があります。
税金計算上の取扱いだけでなく、撤去する必要があるかどうかを先に確認することが重要です。

③ 再建築不可物件を売却する場合
再建築不可物件では、通常の土地と比べて売却価格が低くなる場合があります。
しかし、再建築不可だからといって、譲渡所得税が免除されるわけではありません。
売却価格、取得費、譲渡費用、適用できる特例などによって税額が決まります。
また、建物を解体すると再建築できなくなる可能性があるため、解体の判断は特に慎重に行う必要があります。

④ 共有持分を売却する場合
兄弟姉妹などで相続した不動産では、共有持分の売却が問題になることがあります。
例えば、兄弟3人がそれぞれ3分の1ずつ所有している住宅。
この場合、不動産全体を売却するケースと、自分の共有持分だけを売却するケースでは、売却方法が異なります。
税金についても、原則として各共有者の譲渡所得をそれぞれ計算することになります。
取得費の按分や特例の適用条件などを確認する必要があります。

⑤ 借地権・底地を売却する場合
相続した不動産が借地権や底地である場合も、売却時の税金に注意が必要です。
借地権や底地は、それぞれ権利の内容が異なります。
そのため、売却価格や取得費の計算についても個別の確認が必要になります。
借地権付き建物では、地主の承諾や承諾料などが問題になる場合もあります。
売却条件を整理したうえで、税務上の取扱いを確認しましょう。

売却価格別|相続した事故物件の税金シミュレーション
ここでは、相続した事故物件・訳あり物件を売却した場合の税額を比較してみます。
以下は、説明のための仮定です。
所有期間は長期譲渡所得に該当。
取得費は売却価格の5%。
譲渡費用は売却価格の5%。
特別控除は適用しない。
税率は20.315%。
この条件で計算すると、次のようになります。
売却価格 譲渡所得 税額概算
500万円 450万円 約91万円
1,000万円 900万円 約183万円
1,500万円 1,350万円 約274万円
2,000万円 1,800万円 約366万円
3,000万円 2,700万円 約549万円
※取得費・譲渡費用を仮定した単純計算です。実際の税額を示すものではありません。
この表を見ると、取得費が少ない場合には、売却価格に対して大きな税負担が生じる可能性があることが分かります。
一方、取得費を適切に確認できたり、特別控除が利用できたりすれば、税額が大きく変わる場合があります。
そのため、売却価格だけを見て売却方法を決めるのではなく、税引後の手取りを比較することが重要です。

事故物件は「仲介」と「買取」で手取りがどう変わる?
例えば、相続した事故物件について、次の2つの売却方法を比較してみましょう。
A:仲介による売却
売却価格2,500万円。
仲介手数料89万1,000円。
特殊清掃・残置物撤去費用150万円。
その他費用30万円。
税金を除いた手取りは、
2,230万9,000円。
B:現状のまま直接買取
売却価格2,250万円。
仲介手数料なし。
特殊清掃・残置物撤去なし。
その他費用10万円。
税金を除いた手取りは、
2,240万円。
この仮定では、売却価格は仲介の方が250万円高いものの、税金を除いた手取りは直接買取の方が約9万円多くなります。
ただし、実際には取得費、税金、清掃費用の取扱い、売却期間などによって結果は変わります。
また、買取業者によっては、残置物撤去などの費用負担について条件が異なる場合もあります。
重要なのは、
売却価格が高い方法が、必ずしも最終手取りの多い方法とは限らない
ということです。

名古屋で相続した事故物件を売却する前のチェックリスト
売却を検討する際には、次の項目を確認しておきましょう。
売却前の10項目
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[ ] 相続人と不動産の名義を確認した
[ ] 相続登記の状況を確認した
[ ] 親の購入時の契約書・取得費資料を探した
[ ] 建物の建築時期と居住状況を確認した
[ ] 空き家3,000万円特別控除の適用可能性を確認した
[ ] 相続税の申告・納税状況を確認した
[ ] 取得費加算の特例を確認した
[ ] 特殊清掃・遺品整理の費用を見積もった
[ ] 現状買取と仲介の両方を比較した
[ ] 税金・諸費用を差し引いた手取りを試算した
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すべての項目を自分だけで確認する必要はありません。
不動産の査定は不動産会社へ。
相続登記は司法書士へ。
税金は税理士へ。
相続人間の紛争などは弁護士へ。
それぞれの専門家と連携しながら進めることが大切です。

まとめ|相続した事故物件は税金を確認してから売却方法を決める
相続した事故物件・訳あり物件を売却する際には、売却価格だけでなく、税金や諸費用を含めた最終手取りを確認する必要があります。
特に重要なのは、次の7つのポイントです。
① 相続税と譲渡所得税を区別する
② 所有期間と税率を確認する
③ 親の取得費を調べる
④ 売却費用を整理する
⑤ 空き家3,000万円特別控除を確認する
⑥ 相続税の取得費加算の特例を確認する
⑦ 事故物件・訳あり物件特有の費用や権利関係を整理する
相続した不動産は、売却の時期によって利用できる特例が変わることがあります。
また、特殊清掃や解体を先に行うことで、かえって手取りが少なくなる可能性もあります。
だからこそ、
捨てる前に。
直す前に。
壊す前に。
まずは現状の価値を確認することが重要です。
事故物件・訳あり物件だからという理由だけで、売却を諦める必要はありません。
適切な売却方法を選び、税金や費用を確認することで、納得できる不動産売却につながる可能性があります。

名古屋で相続した事故物件・訳あり物件の売却なら、名古屋仏縁不動産へ
名古屋仏縁不動産では、名古屋市を中心に愛知県全域で、事故物件・訳あり物件の売却相談に対応しています。
孤独死があった住宅。
相続した空き家。
大量の遺品が残っている家。
特殊清掃が必要な住宅。
ゴミ屋敷。
再建築不可物件。
共有持分。
借地権・底地。
老朽化した住宅。
他社で売却を断られた不動産。
こうした不動産についても、現状のまま売却できる可能性を含めて検討します。
また、司法書士との連携による相続登記のサポートや、必要に応じた弁護士への相談体制も整えています。
税金については、税理士などの専門家による確認が必要ですが、売却価格や諸費用の見通しを整理することで、売却方法の比較をお手伝いします。
相続登記が済んでいなくても、まずはご相談ください。
遺品整理や特殊清掃をする前でも構いません。
事故物件・訳あり物件だからという理由だけで、売却を諦める必要はありません。

――売れない不動産にも、次のご縁がある。名古屋仏縁不動産

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「こんな状態でも売れるだろうか」という段階から、お気軽にご相談ください。

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